108 零side ページ12
風見「というわけで……」
ベラベラと話している声を聞き流し、窓から見える景色をボーッと眺めた。
早く仕事終わらないか、そんなことを考えてしまう。
家で子供達と遊びたい、平和に過ごしたい、一生家族と暮らしたい。
ないものねだりをしてしまう。
朝、子供達にこう言われた。
'' パパってなんでも出来るんだね!!やっぱり正義のヒーローはすごいね!! ''
なんでもできる、正直言えばそんなことあるわけがない。
今だって帰りたいのに、帰れないし、事件の日は穂花の気持ちにも気付くこともできなかった。
まず第一に、俺は正義のヒーローなんかじゃないのに。
風見「降谷さん?」
零「…ん?」
風見「報告書の確認をしてもらいたいのですが…」
零「わかった。そこに置いといてくれ。」
風見「了解しました。」
次から次へ仕事が増えて、眩暈がしそうになる。
公安警察での仕事、ポアロでの仕事、組織での仕事、そして父親としての仕事。
すべて両立するのは俺には向いていないのかもしれない。
それでも子供達の元にいたい。
風見「お手伝いします。」
零「いや、それは悪い。」
風見「大丈夫です。部下として当然ですし、降谷さんは1人じゃないですから。」
零「…風見。」
俺は1人じゃない…か。
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作者名:利香信者 | 作成日時:2019年12月15日 11時