検索窓
今日:4 hit、昨日:8 hit、合計:452,929 hit

10 ページ10

ーさとみー




俺はなーくんとAちゃんを


買ったお店にお金を渡しに来た。




な『これで正式に俺等の係だ』



どこかスッキリしたような顔で言った。




さ『そうっすねー、』



特に返す言葉もなくそのまま店を出た。





外に出ると、なーくんに電話がかかってきた。



少し焦った顔をすると

先に戻ってると言い、タクシーに乗った。




俺は電車で帰ろうと駅の方へ向かった。


少し寄り道して、コンビニから出ると



誰かとぶつかった。




「すみません…っ!」




透き通る声、甘ったるい匂い、


艶のある髪、白い肌、少し低めの背。




誰とぶつかったのなんてすぐにわかった。



すぐに去ろうとするAちゃんの手を掴む。




さ『何逃げ出してんの?』



自分の方へ引き、距離を詰める。




「ごめっ…なさ…、』



震えている身体、今にも落ちそうな涙を溜め


必死に唇を噛みしめる。




さ『そんなに噛んだら切れちゃうよ?』



唇を指でなぞった。


すると、もっと強く噛む。


言わんこっちゃない。唇から血が流れた。




指ですくって舐めた。






ずっと震えているAちゃん。



とりあえず、事務所連れて行こう。


手を引き、歩き出そうとすると引っ張られた。




さ『なに?』



少し素っ気なく言う。



「事務所…行くんですか、?」




機嫌を伺うようにして聞いてくる。




さ『そうだけど?』




だって君には居場所がないだろう?



するとAちゃんは俺を更に引っ張った。




「お願いですっ…事務所だけは、っ!」




ついに溢れた涙。


どうしてこんなに事務所に行きたくないのだろう。


きっと行 為をしたくないんだろうけど、


契約してしまった限り、そうはいかない。





俺は良心に囚われそうになった。





さ『昨日は…確か莉犬がヤ ったのか』



独り言のように呟くと、更に震え上がる。




どうしたのだろう。


ここまでくると、話を聞かざる終えない。




さ『とりあえず、カフェでも行くか』




話を聞くだけ。聞いたら事務所。




自分に催眠をかけるように頭に流し込んだ。




「ありがとう…ございます、」



少しだけほっとしたような顔をしたAちゃんに



胸が高鳴った気がした。









11→←9



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (520 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1095人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

つかさ - すんごく!面白いです✨ころちゃんめっちゃ優しい!莉犬くんのメンヘラ最っ高❤️ (11月13日 0時) (レス) @page20 id: 10980ac280 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぅり - 更新頑張ってください!! (2022年8月13日 13時) (レス) @page44 id: 23fc903083 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぅり - めちゃめちゃ面白いです!!りいぬくんがメンヘラ過ぎてビックリしましたwwたまにRもいいですね。w (2022年8月13日 13時) (レス) @page44 id: 23fc903083 (このIDを非表示/違反報告)
- 更新待ってますね (2020年12月29日 3時) (レス) id: e4973691c7 (このIDを非表示/違反報告)
れもん - 更新楽しみにしてますね (2020年12月16日 16時) (レス) id: 0d15cce947 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:え ん じ ぇ る | 作成日時:2020年1月11日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。