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ー莉犬ー



あの時Aを見たときは、


ずっと下を向いていたからわからなかったけど、


あの甘い声で、なんとなく勘づいていた。


けれど、本当に俺が思ってるAではない気がして、昨日はそのまま寝た。



A…、俺達、幼馴染だったよな?








俺がAを突き飛ばしたあの日。



Aは記憶をなくした。



本当は、Aはまだ親だっている。



俺が、この手でAの未来を奪った。








これもきっと、Aは忘れている。



あの頃に戻りたい。



また莉犬くんって呼ばれたい。



あの無邪気な笑顔で、


あのキラキラしたAは…、









俺が全部消しちゃったの?







神様は残酷なんだ。だから信じない。


理由があったからと言って、


突き飛ばしていいとは思わない。


あの時、笑って許してくれたのに


今のAには俺の記憶すらない。




それならあの時せめてほしかった。




さっきまで悲しかったはずの感情が


怒りに変わってしまった。





気がつけばいつもの事務所。


イライラを抑えながら入っていく。


未だにビクビクしているAを横目に


エレベーターに乗る。


さっきなーくんに、302まで連れて行けと言われた。



3階まで着いた。



り『こっち』




低い声で言ったからか、今度は震えている手。



それにすら腹立った俺は、


Aの腕を掴み壁へ押し当てた。





「ひっ…ぅ…」




涙が溢れでている。


そんなことは気にせずに押し当て続けた。




「いっ…たぃ…です…」



伏し目がちにこちらを除く。


うるうるしているその瞳にそそられてしまう。



昔と変わらない甘ったるい匂い。


あぁ、きっと君はまだ純粋なんだろう。


次に何をされるかなんてわからないんだろう。





り『仕事だよ…Aちゃん』





そう耳元で囁くと、


ぴくっと反応した後、


下唇を噛んで、泣くのを我慢している。






またそれに欲 情していく自分がいた。






り『じゃあ行こっか』





無理矢理繋いだ手は震えていて冷たかった。




俺が暖めてあげる。









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つかさ - すんごく!面白いです✨ころちゃんめっちゃ優しい!莉犬くんのメンヘラ最っ高❤️ (11月13日 0時) (レス) @page20 id: 10980ac280 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぅり - 更新頑張ってください!! (2022年8月13日 13時) (レス) @page44 id: 23fc903083 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぅり - めちゃめちゃ面白いです!!りいぬくんがメンヘラ過ぎてビックリしましたwwたまにRもいいですね。w (2022年8月13日 13時) (レス) @page44 id: 23fc903083 (このIDを非表示/違反報告)
- 更新待ってますね (2020年12月29日 3時) (レス) id: e4973691c7 (このIDを非表示/違反報告)
れもん - 更新楽しみにしてますね (2020年12月16日 16時) (レス) id: 0d15cce947 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:え ん じ ぇ る | 作成日時:2020年1月11日 21時

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