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殺人鬼と買い物 ページ5

助けてくれ。俺はなにも悪くない。あいつがわるいんだ。そう言って、醜く焼けただれた手を僕の方へと伸ばす。僕はそれをナイフで切断する。
そこで目が覚めた。パジャマは汗で湿っている。久しぶりだな、こんな夢をみるの。

「あっ、鬼いさんおはようございます」
そうだった。昨日から二人暮らしになったんだった。

「……おはよ」
眠くて舌足らずな挨拶になってしまった。こういうのは可愛い女の子がなるべきだ。たとえば、ルーナちゃんとか。僕がこうなっても需要は0だ。下手したらマイナスかもしれない。

「鬼いさん何ぶつぶつ言ってるんですか? はっきり言って気持ち悪いです」
……。女の子にこうもハッキリと言われると流石に傷つく。

「それはそうと鬼いさん朝御飯できましたよ」
勝手に家の中を漁られていた。驚きだ。そして、朝御飯を作っていたとは。

机に向かえば、トースト、ベーコン、目玉焼き、サラダと牛乳が並べられていた。僕は席につき、いただきますと言った。
「美味しい……。とは思わないけど、不味くはない。30点。僕のほうがよっぽど美味しいのを作れる」

ルーナちゃんはぽかんと僕のほうを見つめている。そりゃ、そうだろう。ダメ出しをされるとは思ってないだろうから。ありがとうっ、すっごく美味しいね。とか言うと思ってたに違いない。残念ながら僕、料理は結構うまいんだ。自分で言うのもなんだけど。

「はぁ? 朝御飯作ってくれてありがとうとかじゃないですか? そこは」

「そうだね。勝手に家を荒らして朝御飯をわざわざ作ってくれてありがとう」
僕とルーナちゃんとの間に火花が散った気がした。二人暮らし開始早々に仲が悪くなると、今後が思いやられる。しょうがない、大人の僕が折れてやるか。

「ごめんね。言い過ぎた。あっ、そうだ。ルーナちゃんはまだ洋服とかないよね?いろいろ二人暮らしするには不便だから食べ終わったら買いにいこっか」
ルーナちゃんはこくりと頷く。
予定を無理矢理決めてしまったが、仲直りできたことだしまぁよしとしよう。

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しぐ(プロフ) - ゆあ♪さん» あざす (2019年1月13日 8時) (レス) id: 7d4dce28ea (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ♪(プロフ) - しぐさん» それはあざます(T-T)さすが早いな笑あとお前#7を#6にしちゃってない?(´・ω・`) (2019年1月2日 18時) (レス) id: 243a7bbe66 (このIDを非表示/違反報告)
しぐ(プロフ) - ゆあ♪さん» ありがとー(*´∇`*)もう読んだぜ( ・`д・´) (2018年12月31日 8時) (レス) id: 7d4dce28ea (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ♪(プロフ) - #2の女の子の台詞で名前変換できてないのあるよー。新作おめ。続き楽しみにしてるね。あと暇だったら是非私も新作を出したからせめて読んでくれ。頑張れ。 (2018年12月31日 0時) (レス) id: 243a7bbe66 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しぐ(シェゾ) | 作者ホームページ:   
作成日時:2018年12月30日 17時

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