オタクなお兄様は、実に変人です。【桃】

▼ お兄様は世話好き？ ページ12

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仕事を終えて帰って来ると広い家なのに誰の気配もない＿＿＿だからちょっぴり寂しいな、なんて思うわけはなかった。



「よし、お風呂入ってゲームしよ」



今日はイベント日だから急いで帰ってきたのだよ！








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酷いものでママの目が届かなくなると食事もまあ適当になる。

一応料理は出来るつもりだけど、はっきり言って自分の為だけに作るのは面倒なんだよね。


パンッ、とコンビニに買ってきたメロンパンの袋を破りかぶりつきながらパソコンを立ち上げた。



「あ、飲み物忘れた」


シャワーを浴びる前に冷やしておこうと冷蔵庫に入れたまま持って上がるのを忘れていた。


面倒だけど取りに行こうと部屋を出て、リズミカルに階段を下りてキッチンへ。


冷蔵庫に入れて置いたいちごミルクのパックを持って引き返そうとしたら、丁度誰かが帰ってきたみたい。





「あ、おかえりなさーい」





玄関で靴を脱いでいた大介さんが、ちらっとキッチンから顔だけを覗かせていた私を見上げる。



「ただいまー。お前１人？」

「はい。帰ってきた時には誰もいませんでしたよ」



きっと弟さんがいるかの確認かな。


玄関の斜め前にある階段の手摺を持って頷いたら、なんかじっと見られてる。


なんです？と聞けば、首にかけたままだったタオルを奪われた。



「お前髪乾かしてから部屋行けってー。風邪引くぞ」

「ああ、イベントの時間ギリギリだったので。でもほらもう半乾き、うわっ！？」


乾きかけの前髪を指で摘んで見せたら、納得いかない表情でタオルを頭に乗せられガシガシされる。

荒い荒い！！



「こんなんで風邪引いて、仕事休まれたら困んのー」

「休みませんよ！ それに私丈夫なんで！」

「だといいですけどねー。兎に角ちゃんと乾かせよ」

「はーい」



一緒に階段を上がって、お互いの部屋の前で別れた。


暫くして部屋がノックされたから、「なんですか？」とドアを開ければさっきまでのスーツ男子からチャライケオタク男子(長い？)へと変身した大介さんが立っていた。




「飯はー？」

「食べました！ ほら！」



ちょうど食べ終わった空の袋を持ってたから、ジャーンと見せつける。

あ、大きな溜息つかれた。





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