2 ページ31
・
「お客さん？」
大きな窓ガラスをバックに、パソコンを覗き込んでいた大介さんが顔を上げた。
そして両手いっぱいに荷物を持っていた私を見て、キランと目を輝かせている。
「Aーーーーっ！！」
「うわっ、わわわ！しーっ！？」
な、名前で呼んじゃ不味い…くないのか？
チラリと阿部さんを見れば、にこやかに微笑んでいた。
「大丈夫大丈夫。仲良くできてるようで良かったよ」
「あ、まあ」
ドドドド、と何かが迫ってくる気配。その何かは分かっているけど。
「できた〜！？」
音の割には意外と遅く、しかもなんか変な走り方でやってきた大介さんは私の持ってる物を覗き込んでくる。
……ここに餌があるでしょ？知ってるんだワン、なんてな。
「佐久間、待て！」
「はい！ て、阿部ちゃん！！ 俺は犬じゃないかんね！？」
「ふふふ。いやいつもながら、尻尾が見えるもんで」
あ、良かった。私だけじゃなかったみたいで。
「はい、これ向井さんが持っていくようにって」
「うんうん」
「意見を聞いてこいって言われて」
「うんうん。 うをーっ！！ ○○ちゃん、すっげぇ可愛いぃぃっ！ あ、でもこれ俺が送ったポーズではないねぇ？」
試作品を手に持って上から下から横からと細かく観察する。
仕事なのか趣味なのか一瞬分からないテンションで、でもちょっとした違いに気づくのは流石だった。
「なんかこの子ならこっちのポーズの方がウケがいいじゃないかって」
「向井がそう言ったの？」
真面目にそう聞かれて、「はい」と答えれば「ならそうなんだろうね」って直ぐに納得していた。
「アイツは色々調べてこれが良いって決めたんだろうし。オタクとしての佐久間さんも、これはキュンてなったわ。てことで、これで進めて」
「はい」
「へえ、オタクとしてもキュンとしたの？」
そう阿部さんが聞いた途端にスイッチが切り替わって、大介さんは試作品を壊れない程度にギュッと抱きしめる。
「うん！このツンとした感じとか、この丸っとした感じとか、このキラッとした感じもいいよねぇ〜！？」
「あはは、俺にはさっぱり〜。笑」
なんだこれ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2611人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆきんこ(プロフ) - あきさん» あき様、こんばんは☆ツンツンデレデレ、なでなで、スリスリ←（笑）したくなりますよね！そんな自分の願望を主に叶えてもらおうと思ってます(o^^o) (2021年5月12日 19時) (
レス) id: 07fd991e4a (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - acoさん» aco様いつもありがとうございます☆ほんとそうですよね！私なら拝み倒すなと（笑）是非目の前にあの腹筋があるのを想像して読んでもらえたら（笑）これから少しずつ二人の変化を楽しんでもらえるように頑張ります！ (2021年5月12日 19時) (レス) id: 07fd991e4a (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - ゆきんこ様、こんにちは☆朝から破壊力抜群な桃色さんをありがとうございます！いやぁ、あの美しい腹筋を目の前で見たら、そりゃ触りたくもなるし、拝みたくなりますよね←は(笑)？ (2021年5月12日 17時) (レス) id: 4aac9fb6a0 (このIDを非表示/違反報告)
aco(プロフ) - いつも楽しく拝見させていただいています！朝から佐久間さんの美しい体拝めるなんて幸せるぎるシチュエーション！！私も触りたい！これからどうなっていくのか楽しみにしています！！ (2021年5月12日 15時) (レス) id: 5529cc6a26 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - ふさん» ふ様、コメントありがとうございます!! キュンとしてもらえて嬉しいです(^^)なかなか展開が進みませんが、もっとキュンを増やせるように頑張ります(^^) (2021年5月4日 13時) (レス) id: 07fd991e4a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2021年4月15日 13時
