▼ただのじゃれ合い ページ1
・
『A、俺だけを見て？ 俺だけを愛して……』
ピンク色の髪を靡かせて、こちらを振り返った彼がゆっくりと顔の角度を変えて迫ってくる。
伏せられていく瞼を印象づける長い睫毛がパサっと揺れて、彼の瞳は私の唇を捉えたようだ。
あと数センチ、あと数ミリ………これが、私のファーストキス。
「おーい、起きろー！！」
「……んーっ」
あれ？ なんか場面がゆらゆらしてる。
サクラの綺麗な顔が歪んで行く。
え、待って待って！
キ、キスは！？
『ふふ、ごめん。またね？』
またねってなんだーーーーーーーー！？
「さ、さっ！ ちゅーーーーうっ！」
とってもいい場面でバイバイと去って行く愛しのマイダーリンに手を伸ばすと、その手をガシッと掴まれたから、はれ？と瞼を持ち上げた。
あれれ？
すると去って行ったサクラと瓜二つの顔が目の前に。
「いやおい、待て待て！ ちゅうってお前、どんな夢見てんの？ 笑」
「は？」
.
「にゃはははは！！」
「…笑いすぎじゃないですか？」
うたた寝をしていた私を起こしたのはお休み中の大介さんで、どんな夢見てたの？と聞かれたから馬鹿正直に『推しにキスされそびれた夢』と言えばこの通りだ。
お腹を抱えて、目尻に溜まった涙を拭ってる。
「ほんとに見るんだな。そういう夢って」
「だ、大介さんだって見るでしょ？」
だってあなたの方が、たっくさん嫁がいるじゃないか。
あれからたまに録画を頼まれて部屋に入るけど、入る度にお嫁さんが増えてるのは気のせいじゃないと思うんだ。
「見ねぇよ。つうか、夢なんて覚えてない」
「ええー勿体ない。自分の推しとイチャイチャできる唯一の機会ですよ？」
「にひひ、そんな都合良く見れっかよ！」
「私見れるんですよ〜。ある意味特技かもしれません」
昔からよく夢を見る。
定番の追われてる夢や落ちる夢から、さっきみたいな願望的な夢まで。
まるで恋愛疑似体験できてるようでドキドキしてる。
「なあ、」
胸を押さえている私の顎を指で掴み、クイッと自分へ向かせる大介さん。
すごく至近距離に、さっきの夢のお顔が……え？
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2870人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
三色団子(プロフ) - とても2人が可愛かったです！！また番外編作ってくだいさいいいいいいいいいいいいいい (2022年9月12日 17時) (
レス) @page40 id: 63bbf48442 (このIDを非表示/違反報告)
三色団子(プロフ) - 完結おめでとうございます！！！！！！！！ (2022年9月12日 17時) (レス) @page40 id: 63bbf48442 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - 彩菜さん» コメント有難うございます！！わあっ、とっても嬉しいです(^^)有難うございます!!キュンキュンしてもらえ良かったです☆ (2021年6月9日 8時) (レス) id: 21f13df572 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - あやかぽん。さん» 最後までお待たせしました！そしてお読みくださり有難うございました(^^)大人のグッズどうだったでしょうね（笑）それはまた…です←最後の最後に爆弾仕掛けて終わりました（笑） (2021年6月9日 8時) (レス) id: 21f13df572 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - あきさん» コメント有難うございます！ヤバいですよね（笑）これ本当は本編に入れたかったネタなんですが都合上入れられず番外編へ（笑）色々この後の妄想を読んで下さる方にしてもらおうと思って書きました← 続きは毎度の事ながらベッターであげる予定です(^^) (2021年6月9日 8時) (レス) id: 21f13df572 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2021年5月17日 15時
