その男、ヒーロー……？ ページ9
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「失礼します、シオッリラ様。」
「なんだ、執事。」
「4日後、リニアーラ国の御子息様と会う御約束ですが如何致しましょう？」
「行かん。」
『クルシオ様、明日のアッサム、アールグレイに変更するんですね？？？』
「ﾁｯ……なんで俺がリニアーラ国の子息と……」
『……クルシオ様、4日後と言えば、ヴィオネーラ国とリニアーラ国の貿易日です。リニアーラ国の御子息様がクルシオ様と合わなかったら知らない土地で1人きりでしょう。クルシオ様がその身になれば、どうされますか？』
「ｸﾞｯ………それはだな……。」
正直即答で断ることは分かっていた。
だが、クルシオ様があの学園へ通う時に、知り合いが居れば、幾分かマシになるだろう。
ただでさえクルシオ様は中等部からの入学になられるんだ、知り合いなんて少ないに決まっている。
…………いや、クルシオ様の性格の事だ、最早知り合いなんて居ないのでは……！？
『クルシオ様、貴方様はいずれこの国を治める方です。少しでも関係を持った方が他国との貿易も幾分かは楽だと思われますが？』
「………………………………………執事、行く、とだけ御父様に言っておけ。」
「！………シオッリラ様が他国の御子息様とお会いになられるとは……今すぐコックさんに伝えましょう、今日は御祝いです！！」
『………執事様、あんなにはしゃげるんだ…。』
「お前執事をなんだと思ってる……アイツはまだまだ現役だぞ…。」
『それはクルシオ様が危なっかしいからなのでは？』
「コイツ………。」
ちなみに執事様は本当にコックさんに伝えたらしい。
他国のしきたりで『祝いの日にはもち米にアズキやササゲを蒸して作るおこわを食す』らしく、ほんのり赤く染ったおこわが夕食に出た。
クルシオ様はというと…
「うげ……何だこの物体……。」という反応を見せ、メイドさんやコックさん達を苦笑いさせた。
＿＿＿＿＿＿
「そうかそうか、シオッリラが参加するのか……！！！」
「ええ！フレットさんが納得させてくれたんですよ……！！」
「フレット君には感謝せねばな………！！そうかそうか………ナリア、シオッリラが成長したぞ…！」
「そうですね。あなた、ずっと心配してらしたものね。」
「ヴャチャス様、ナリア様、シオッリラ様は確実に成長していらっしゃいます………！！」
その男、ヒーロー……?
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ろそそ(プロフ) - れいさん» コメントありがとうございます。拙い文章の集まりで出来た作品ではありますが、これからも楽しんで読んでいただければと思います。更新頑張ります。 (2022年11月11日 20時) (
レス) id: af58cd8c8e (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (2022年11月4日 22時) (レス) id: 238b034c25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろそそ | 作成日時：2021年6月6日 14時
