その男、苦労人。 ページ8
´
『クルシオ様ー！！』
『クルシオ様ァァ！？！？』
『クルシオ様ーー？？』
『クルシオ様…。』
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
「いつもご苦労様、フレット君。」
『……コックさん。』
「はい、コレ。シオッリラ様のおやつ。」
『嗚呼、もう3時でしたか、いつも有難う御座います。』
「いやいや、フレット君が来てくれて助かったよ。前まではシオッリラ様の部屋まで運んでたからね。」
『ええ、執事様もあの御年齢ですし、コックさんの負担は多かったでしょう。少しでも楽になったのなら良かったです。』
「ありがとうね…はい、今日はダージリンだよ。」
『わかりました。』
＿＿＿＿＿＿＿
ｺﾝｺﾝ
『クルシオ様、おやつです。』
「遅い！！！3分遅刻だ！！！」
『…………今日はカレンズスコーンです。』
「干しぶどう取れ。要らん。」
『………どうぞ、ダージリンです。』
「はぁ！？アッサムはどこいった！！」
『アッサムは昨日です。』
「昨日飲んでないぞ！！」
『寝てましたからね。』
「起こせよ！！！！」
『何度も起こしたのに枕投げてくる主は誰ですか。』
「ｸﾞｯ……。」
『………仕方ないですね、明日で良ければ、コックさんに頼んでアッサムに変えてもらいます。今日はもう入れてしまいましたので、ダージリンで耐えて下さい。』
「むぅ……………！そうだ、フレット、魔法を使え！！魔法を使えばダージリンからアッサムになるぞ！！」
『何をおっしゃいます、魔法なんて使いません。』
「じゃあ執事を呼べ！！執事にやらせる。」
『執事様に負担をかけないでください。今日はダージリンです。』
「……明日は絶対アッサムだからな。」
『かしこまりました。』
慣れた口調でクルシオ様を納得させる。
実際納得していないんだろうが、仕方が無い。
クルシオ様のおやつに出てくる紅茶は、3種類ある。
アッサム、ダージリン、アールグレイ。
クルシオ様はアッサムが大好物の様で、他の紅茶を飲もうとしない。
何とか頑張ってその日の紅茶を飲ませるうちに、慣れてしまったらしい。
カレンズスコーンの件もそうだ。
カレンズが苦手らしく、よくカレンズを避けてお食べになられる。
側近になった今、クルシオ様の我儘に手を焼いているのである。
その男、苦労人。
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ろそそ(プロフ) - れいさん» コメントありがとうございます。拙い文章の集まりで出来た作品ではありますが、これからも楽しんで読んでいただければと思います。更新頑張ります。 (2022年11月11日 20時) (
レス) id: af58cd8c8e (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (2022年11月4日 22時) (レス) id: 238b034c25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろそそ | 作成日時：2021年6月6日 14時
