それは、心が割れる瞬間だった。 ページ30
’
ふと、幼少期の頃の記憶が蘇った。
嗚呼、この現象は自分が招いたのだと。
床で血を流し、青白い肌で倒れていたメイドさん達が、何も無かったかのようにいつもの仕事をこなしていく。
糸などで操られているわけでも、生き返った訳でも無い。
体だけ立派で、中身だけすっからかん。
『…………がらんどう。』
いつか、自分の主人に教えてもらった言葉。
今のメイド達には、とてもとてもぴったりな言葉だった。
食堂、一般兵フロア、客室。
そして、玉座の間。
メイドも、調理人も、一般兵もがらんどうだった。
自分が気を失っていた間。
気を失っていた間に、全てが一瞬にして消えた。
己が気を失っていた時間。
果たしてそれは長いのだろうか。短いのだろうか。
どちらにせよと、気を失っている自分が悪いのだと、
酷く自分を責めた。
主人に拾われたあの時から。
忠誠を誓ったあの時から。
もう二度と、失いたくなかったのに。
弟を失い、プライドを失い、人権を失い。
今度は忠誠を誓った主人を、
初めての友人を。
自分の能力に期待していた。
少しの期待に縋っていた。
玉座には、倒れた
がらんどうでもなんでもない。
本当に
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ろそそ(プロフ) - れいさん» コメントありがとうございます。拙い文章の集まりで出来た作品ではありますが、これからも楽しんで読んでいただければと思います。更新頑張ります。 (2022年11月11日 20時) (
レス) id: af58cd8c8e (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (2022年11月4日 22時) (レス) id: 238b034c25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろそそ | 作成日時：2021年6月6日 14時
