その男、恥ずかしい。 ページ17
´
「ﾆｺﾆｺ」
『………………。』
「ﾆｺﾆｺ……………あ、このグレープティー、美味しいですね。」
『本当ですか？……良かった。渋みが過ぎないか、不安だったんです。』
な ぜ こ う な っ た ？
目の前で座る彼は美味しそうに茶を啜っている。
そこらの貴族のように着飾ったマナーでもなく、かと言ってウチの主のようにマナーを気にしないようでもない、凄い自然なマナーを目の前に、圧倒する。
「1度話してみたかったんですよ。フレットさんと。」
『私も、クルシオ様やショッピ君の話を聞いて、エーミール様のこと気になってましたよ。』
「私もです。」
グレープティーを飲み干したエーミール様がニコニコと話しているのを見て、立ち上がった。
不思議そうに見ているエーミール様を背に、新しいティーカップとダージリンを用意した。
『ダージリンがお好きと、クルシオ様から聞きまして。』
「わあ、ありがとうございます！」
あからさまに嬉しそうな様子で安心した。
背に付いている尾がゆらゆらと揺れているのを見てメトロノームというものを思い出す。
『エーミール様は悪魔族なんですね。』
「ええ、でも、他の悪魔族とは違って外に出たがらないんです。」
おかしいでしょう？と自傷的に笑うエーミール様に少し怒った。
『おかしくないです。良いですか？一人一人種族が違うように価値観も得意分野も違います。』
『確かに悪魔族は活発的に行動する事を好む種族です。だからと言っておかしいという訳ではありませんよ。』
『悪魔族は魔術や魔法を使う技術自体は長けています。ただ、読書などを好まないような種族と聞きます。クルシオ様が言ってましたよ、エーミール様は読書家なのでしょう？凄いですよ、知識の宝庫じゃないですか！』
そこまで言って、恥ずかしくなり、マナーを気にせず紅茶を啜った。
ポカンとしているエーミール様を見て、もっと恥ずかしくなり、顔が赤くなるのを感じる。
「ふふっ。」
『………笑わないで下さいよ。』
「ふふっ、すみません…ふふ。」
『……ふふふ……あははっ！』
ずっと笑い続けるエーミール様が少しおかしくて、自分も釣られて笑う。
その男、恥ずかしがる
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 40人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「wrwrd」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ろそそ(プロフ) - れいさん» コメントありがとうございます。拙い文章の集まりで出来た作品ではありますが、これからも楽しんで読んでいただければと思います。更新頑張ります。 (2022年11月11日 20時) (
レス) id: af58cd8c8e (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (2022年11月4日 22時) (レス) id: 238b034c25 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ろそそ | 作成日時：2021年6月6日 14時
