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4【一松】 ページ4
折角のクリスマス、ケーキでも食べながら呑もうよ！
そんな高山さんの誘いに乗り、俺たちは騒がしく小さなちゃぶ台を囲んでいた。
「好き、殺したい、食べたい、ああ美味しそう」
途端、しんと静まり返る居間。
7人の目が、声の持ち主を見た。
何を考えているのか分からない猫が、廊下へと走っていった。
「エスパーにゃんこ...？」
「ああ、俺の心か」
一松の彼女...高山Aさんという可憐な少女は俺たちの一年後に生まれた。
俺と同じ常識人の子がまさかこんなやつと付き合うなんて、と最初は驚いた。
だが、面倒見のいい社会人の高山さんにとって一松は愛すべき存在なのだそうだ。
そんな子に対してこんな思いを抱えているのか？
「えー、一松君浮気？」
震える声でそう告げた彼女は、一松を見てはいなかった。
「全部お前への想いだけど」
重いなぁ、と言って笑った彼女は空になったはずのビール缶をまだ煽っていた。
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作者名：白松 | 作成日時：2015年12月20日 18時
