松野家の闇【おそ松さん】 (ページ3)

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3【チョロ松】ページ3

ばくばくと心臓は音を立てていた。

襖一枚隔てた向こうに、私の想い人だった人がいる。
私の名前を呼び、探し回る彼。
先程盗み見たその手には、鈍く光るものがあった。

どうしてこうなったのだろうか、思い当たる節は一つしか無かった。

つい数時間前のことだった。
いつもお互いのメールにはすぐ返信するというルールがあった私たち。

それを私は破った。

しかも、そのときカフェにいて、一緒だったのは彼の兄2人。
彼はそのときは苦笑いで済ませたが、直後に届いたメールは彼の怒りが全て込められていた。

【俺と同じ顔なら誰でもいいんだ、後で会おうね】

その結果が今に至る。

家に向かえば玄関の前で待っていた彼に無理やり家に入れられ、隙を見計らって逃げた寝室の押入れ。
暗いそこが私の手足の震えを止めてくれた。

そして話は冒頭へと戻る。

「Aは悪い子だなあ、俺も怒るよ？」

あはは、といつもの笑い声が聞こえた。
襖の隙間から彼をまたも見れば、携帯を取り出して何やら操作していた。

ぷるるるる

鳴ったのは、私の携帯。

「A、そこにいたんだ」
「かくれんぼはもう終わりだね」

「みいつけたぁ」

細まった目が、私を逃がしはしないと笑った。

.

兄が好きです兄が好きです
兄が好きです兄が好きです
兄が好きです兄が好きです
兄が好きです兄が好きです

チョロちゃんは無理難題を押し付けて、悪い子な彼女(チョロちゃんの妄想で悪い子の場合もあり)を追いかけてお仕置きするっていうのが似合うと思うんです........