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13話  伊黒 ページ14

伊黒side


伊黒「は?」

コイツ、俺の事綺麗と言ったか?女と思ってるのか? だとしたらコイツは相当な馬鹿か、目が節穴なんだな。
 変な奴が来たとは思ってたが、男と女の区別もつかない馬鹿だとは、、、
そう考えていたら、フッと俺の両頬に小さな手が添えられた。
 稲葉と言った奴はぐいっと顔を近づけたと思ったら目と目が合った。ガラスの様な透き通った瞳に吸い込まれそうになった。

A「目、、、片方づつ違う色なんですね。」

伊黒「ッ、、、!」

その言葉に身体が動かなくなった。身体からじわりと汗が出る。
 、、、、、、気持ち悪いと思われるか?

A「両方ともとても綺麗です。いいと思います。」

 コイツは自分の事を鏡で見た事があるのか? その言葉はお前に使う様な物なのに。

蛇女の鬼に気に入られる様な奇妙な見た目。他の奴には気持ち悪いとか蛇みたいだと言われて来たのに、、、


その事を思い出すと、綺麗だと言われた事がとても嬉しかったのか__気がついたら俺は、、、泣いていた。

A「!?え?え?あの、ごめんなさい。悪い事言ってしまいましたか?」
 
そうあたふたした稲葉は忙しなく懐を探ると、
手拭いを取り出した。

A「ごめんなさい、、、泣かせてしまうつもりはなかったんです。」

そう言って俺の涙を手拭いで拭い取った。

伊黒「目に塵が入っただけだ。自分で拭ける!」
稲葉から手拭いを奪い取ると涙を拭いた。手拭いから甘い花の様な匂いがする、、、

A「それなら良かったです。」
安堵したような表情をする稲葉。
 いや、顔が近い!!

A「あれ?伊黒さん、顔が赤いですよ?熱ですか?」
稲葉は更に顔を近づけてくる。

その瞬間。すぐ横で気配がした。

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作者名:YUKINO | 作成日時:2021年4月15日 21時

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