第二章 顔合わせ01 ページ13
伯父様の屋敷に、親族だけが集めれた。
因みに、スティーブは私たちと同じ馬車で屋敷に戻る訳だけど。
スティーブは私の隣に座って上機嫌、私自身は不機嫌と正反対な結果に。
なんで私の隣に座る必要があったの?
お父様の隣に座っておけば良かったものを、私の隣に来る必要なかったよね?
ねぇ、嫌がらせなの? そうなの?
お父様とお母様は私たち二人の反応が正反対なのを見て、苦笑を漏らした。
そりゃそうよね、私の反応が可笑しいと言われたらそうかもしれないけど。
嫌いなものは嫌いなのだから、仕方ない。
二人はなにも言わないでいてくれた事に感謝しつつ、馬車は広大な敷地を有している侯爵家の屋敷へ入っていった。
お父様と伯父様の爵位が反対なのか、シャノンに少しだけ聞いたから復習しておこう。
宰相と言う役職に就くのは、伯父様の筈だった。
でも、伯父様は政治に向いてなくて、お父様に白羽の矢を立てた。
するとみるみる伸びていき、お父様は政治家としての風格を現してきた。
其処を国王様に気に入られ、侯爵から公爵になった。
お父様は元々ルーファス家の次男であったけど、ルーテシア家…つまりお母様の所に婿養子に行ったらしい。
お父様と伯父様は仲が良くて、他の者に役職を譲るくらいなら、婿養子に行ったお父様に継がせると宣言したんだって。
…となると、上のお兄様か伯父様の所の従兄が次の宰相になるの?
(…と言うか、悪役貴族と呼ばれている事を聞いたのに。何故この話で収まったのかしら?)
「アリス、そろそろ着きますからね」
「わかってますわ、お母様。…スティーブ兄様、少し離れて下さいませんか?」
近いんだよ、あんた。
ぴったりくっついてきて。
…スティーブを観察していて、思った事が少しある。
“彼”に似ているのよね。
姿ではなく、雰囲気や、あの胡散臭い笑顔とか。
(…思い出したら、腹立ってきた。ムカつくのよね…)
“彼”の事はまた今度話すとして、伯父様にご挨拶しなければ。
「おぉ、アリスではないか。二日遅れたが、誕生日おめでとう」
「伯父様と伯母様、お久し振りです。ありがとうございます。アリスは五つになりました」
もう五歳かと二人は笑顔で話し掛けてくれる。
因みに、私が今着ているのは伯父様たちに貰ったドレス。
ピンクと白をベースにフリルやリボンを付けた可愛らしいドレス。
付いていた帽子を被っても良かったけど、このドレスに似合うリボンを持っていたから、今日はそっちにしたけどね。
顔合わせ02→←閑話 襲来するまで後数時間(スティーブside)
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颯貴@きっちょー(プロフ) - とっても面白かったです!するする読めちゃいました笑笑 少し気になったのですが、行間がほんの少し狭いように感じたのでもう少し行間をとったほうが読みやすいのかな?と思います。個人差あると思うのであくまで参考程度にですが… (2021年12月13日 18時) (レス) id: 5b8feef754 (このIDを非表示/違反報告)
葦原 さくら(プロフ) - printemps(プランタン)さん» 初めまして、コメントありがとうございます。“良性発作性頭位目眩症”と言うのが、作者がなっている目眩です。BPPVと検索して頂くと詳しくわかりますよ (2020年7月5日 23時) (レス) id: 41f7d823e5 (このIDを非表示/違反報告)
printemps(プランタン)(プロフ) - 目眩症…? (2020年7月5日 10時) (レス) id: adf0bec428 (このIDを非表示/違反報告)
葦原 さくら(プロフ) - ミントさん» 初めまして、コメント有難うございます!!全部読ませて頂きました。此処まで言って頂けるのは貴重なので助かります。これから少しずつ直していきます。読み返してみないとわからない物ですね。応援も有難うございます。これからもこの作品を宜しくお願い致します (2020年6月26日 20時) (レス) id: 41f7d823e5 (このIDを非表示/違反報告)
ミント - というか主人公って正統派ヒロインポジなのでは…(笑)?
王妃様も前世の記憶持ちなのかが今は気になってます。
続きがとても気になります。応援してますね。
連投・長文コメントで申し訳ありません。 (2020年6月26日 19時) (携帯から) (レス) id: 4f4058a2da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葦原 さくら | 作成日時:2019年8月25日 20時