第11話【目的】 ページ14
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「そんな冷たいこと言わないでよ〜」
そう言って、今にも私に抱きつきそうな騎羅さん。やめてくれ・・・。あんた(チャラ男だけど)アイドルだろ(一応)。←
『私、これから仕事があるんです。忙しいんです。・・・それは騎羅さんだって同じでしょう?と、いうか、騎羅さんの方が忙しいじゃないですか。・・・なんたって“国民的アイドル”なんですから』
私は小さくため息をつくと、その脇をすり抜けようとした。だけど・・・その態度が気に入らなかったのか、騎羅さんは「ちょっと!」と言いながら私の腕を掴む。そしてそのまま勢いよく引っ張られて、必然的に騎羅さんに抱きしめられる形になった。
『ちょ・・・!?騎羅さんっ!?!?離して・・・!からかうのはやめてくださ・・・っ!』
慌てて離れようとするも、さらにきつく抱きしめられた。
ちょ、まじやめて・・・(˙-˙)
「からかってなんかないよ」
やけに真剣な顔と声で、彼が言った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・why?←
『からかい目的じゃないなら何なんですか・・・。ほんとやめてくださいよ・・・。自分の立場くらいわきまえてますから・・・』
呆れながらそう言って、私は騎羅さんの腕から逃れようとする。逞しい胸板を強めに押してみるも、ビクともしない。がっちりホールドされてて、ほんとに身動き出来ないんですけどーーー。
『もー!本当に離してくださいよ!』
そろそろ大声出して、騎羅さんのマネージャーでも呼んだ方がいいかね?きっといいよね。
私は、騎羅さんのマネージャーを呼んで助けてもらおうと思い、息を吸った。大声出せば、さすがにマネージャーじゃなくても誰かしら来るでしょ、うん。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・すき」
『・・・は?』
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作者名:智弥 | 作成日時:2018年10月22日 3時