第37話 ページ40
Side貴方
少し涙を溜めた目で見たのが良かったのか海賊の男は一瞬、動揺した。その瞬間を逃さず男の手を捻り短剣を落とさせて思いっきり回し蹴りをする。
「ぐはあっ！！！」
血を吐き出しながら男は倒れる。それを見た男の仲間達が正気に戻り
「お前！！よくもうちの船長に！！」「やっちまえーー！」
何十人といる海賊が一斉に私に向かってくる。それを私は腰の木刀を手に取り、腰を落として待ち構える。そして奴らが剣やら足、手を振りかぶって来たことを感じると同時に木刀を振る。が目の前に白いモクモクとしたものが現れてそれに海賊たちは
「がはっ！！！」「うおォっ！！」
と呻き倒れていく。それにポカーンとしてると肩を引き寄せられる。引き寄せて来た人物に視線を向けると、それはあの葉巻の男だった。
「巻き込んじまって悪りィな。もう少し辛抱してくれ」
『...はい』
正直、暴れる気満々だったので消化不良だけど、わざわざ文句言うほど落ちぶれていないので手に持っていた木刀を腰に下げ直す。そして海賊が海兵に取り押さえられるところを葉巻の男と見ていた。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
海賊が海兵達によって連れていかれ、その場に残ったのは私と葉巻の男。あっけなかったな、と思っていれば視線を感じ、その視線の主を見る。
「...お前」
『何ですか？』
「首、切れてんじゃねェか！！」
そう指摘され指で首をなぞると微かに痛みを感じた。指を見ると血がついていて、ケガをしてることを理解した。けど
『これくらい大丈夫ですよ』
だから気にしないでと笑って言えば、葉巻の男はカッと目を見開く。その瞬間フワッと浮遊感を感じたと思えば彼によって横抱きされていた。
『...あの、下ろしてください。本当に大丈夫なんで』
「大丈夫じゃねェよ。いいから運ばれてろ」
私を横抱きしながら、すごく早いスピードで葉巻の人は歩いていった。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
やっと横抱きから解放されて今はフカフカなソファに座っている。そんな私の首には大袈裟にも包帯がぐるぐる巻かれてしまっていて、正直うっとおしい。しかし、そんな感情を悟られまいと笑顔を作って私の正面のソファに座る男に視線を向けると、葉巻の人も私を見ていたみたいで目が合った。すると彼が口を開く。
「...傷は痛まねェか？」
『大丈夫ですよ』
「そうか。...俺はスモーカーだ。お前は？」
『...Aです』
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眠すぎワロタ - 設定見た時に斉木楠雄かよ！って思いました頑張ってください (2022年12月26日 23時) (
レス) @page1 id: aff6f0444c (このIDを非表示/違反報告)
リエ - 更新たのしみにしてます！ (2021年1月25日 3時) (レス) id: 62560190e1 (このIDを非表示/違反報告)
音速寝のねむ(プロフ) - 主人公、、、、アバズレっぽi(((((( (2020年10月5日 22時) (レス) id: e350f81134 (このIDを非表示/違反報告)
妖狐 - みんなかわいくて良きですうううううう更新がんばってください！！ (2020年5月4日 13時) (レス) id: a5ced3c228 (このIDを非表示/違反報告)
うらら(プロフ) - キャースモーカーくんとなのね！キュンキュンするわ！！これからも応援してます頑張ってください!!! (2020年5月3日 18時) (レス) id: e068332aca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：時雨 | 作成日時：2020年4月11日 1時
