View of blind【ONEPIECE】 (ページ25)

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22話ページ25

　
　
　
『ナミさん、僕の杖は？』

医療室を出て開口一番にそう口に出してしまって、違うだろうと後悔する。
思わず、ごめん、と呟いた。

ﾅﾐ「心配したじゃない！！悪化する前に言いなさいよ！！」

『うん……ごめんね』

謝ることしかできない僕は、ナミさんの前で突っ立ったままで。
手慣れたように謝罪の言葉を述べる自分に反吐が出そうだった。

ｳｿｯﾌﾟ「ナミ〜…？その辺にしといてやれよ。ほら、Aが1番辛そうだろ？」

『……僕は癖みたいに謝罪してしまう自分が嫌なだけさ』

幼い頃、黙れと言われるまで謝り続けた結果がこれだ。
相手がどう思うかは知らないが、自分の口から軽々しく発せられる「ごめんなさい」の言葉が僕は嫌いだった。

ﾅﾐ「ｯ……」

ﾛﾋﾞﾝ「無理は駄目よ？」

『あぁ、ごめ、ん…』

また、だ。
くそ…

ﾅﾐ「…そんな下手くそな笑顔見ていたくないわね。私はアンタに謝られても何も不快じゃないの！誠心誠意謝罪しなさい！！」

『すみませんでした！！』

声が近づいてきて自分の目の前で聞こえたものだから、驚いて勢いよく謝った。

ﾅﾐ「それでいいのよ」

『…はい』

僕、ナミさんには一生敵わない気がする…

ﾅﾐ「それと、はい。やっぱり船の中にあったのね」

『……それはどうかな』

ナミさんから杖と飾りを手渡されて、無意識に握りしめる。

帰ってきてくれてありがとう。もう痛くないよ。

『これ、どこに落ちてたの？』

ﾙﾌｨ「甲板に転がってたぞ！おれが見つけた！」

『そっかぁ……ねぇ、僕の痣はまだ酷い？』

ｻﾝｼﾞ「まだっつうか…顔まで広がっちまってる」

『か、顔……』

そこまで酷いとは思わなかったな。
ちゃんと話したほうが良さそうだね。

『原因は分かったから、まずはアレを見つけ出さないと…』

「「ええ！？」」

ｳｿｯﾌﾟ「げ、原因って！？」

『精霊の契約の重ねがけだよ。昨日の昼間に精霊から加護をもらった。実際にはもう少し厄介なものだったみたいだけどね』

ﾛﾋﾞﾝ「重ねがけ…ってことは、もうすでに何か契約をしていたってことかしら？」

『そうだねぇ…僕が一人で街を歩くことができるのは、視覚以外の感覚が優れているのも一つの理由だけど。もう一つあるんだよ』

握っていた杖の飾りを手のひらに乗せて呟いた。

『ネロ。おいで』

［…Aの裏切り者め］

僕の首にふさふさとした尻尾が緩く巻き付いた。

　