16話 ページ19
ナミ「まずアンタの服を買うわよ!」
島について、ナミさんは開口一番に言った。
服…この一着しかないもんな。
『お願いします。ナミさん』
ナミ「ふふん。私にエスコートされること、感謝なさい」
『ふふ、はい』
こればかりは見えないから仕方がない。
ナミさんに見繕ってもらって、会計は僕が済ませるとしよう。
言い方は悪いが金はある。
ナミ「じゃ、行くわよ?ちゃんと私の手を握ってなさいね!」
『ありがとう』
サンジ「羨ましい…!!」
後ろでサンジくんが涙ながらに叫ぶ声を聞いて、そんなこと言われてもな…と思う。
知らない場所じゃこうするしかないんだってば…
ナミ「サンジくんはいつもあんな感じだから放っといていいわよ?」
『い、いつも…?』
ナミ「そうね。女の子を見かければすっ飛んで行くし、鼻血出して吹っ飛ぶこともあるわ」
『…ナミさんたちだけにああなるんじゃないの?』
ナミ「誰に対してもああよ」
な、なるほど……
彼の女性免疫の無さは想像以上だったか。
ナミさんと共に入った服屋でとりあえずいろいろ着せられる。
気分はさながら着せ替え人形といったところだ。
この色のほうがいい、などと言いながら服を選ぶナミさんの声は楽しそうだった。
『…ふふ』
ナミ「?なに?」
『いいや。僕には色とか分からないから、君が選んでくれて嬉しいなと思ってね』
ナミ「…私の目に狂いはないわよ!とびっきり似合う服を選んであげる」
『よろしく頼むよ』
身体に服をあてがわれたり、着てみてと言われ試着したりを繰り返して一時間ほど。
ようやくナミさんの気が済んだようだ。
ナミ「シャツは黒がいいわ。スラックスは黒も買っとくけど白でセットアップにして」
『着るときは誰かに手伝って貰わなくちゃなぁ。じゃあ、僕の分は終わりにしてナミさんも見てきたら?』
ナミ「いいの?じゃ、遠慮なく♪」
やっぱり女性は服屋好きなんだな。
店の彼方此方から聞こえてくる声もほぼ女性のものだし、一人にされると疎外感がすごい。
「ねぇ、お兄さんひとり?」
『…いえ、連れがいます』
「お兄さん一人で放っとかれてかわいそう。私とデートしない?」
これが…軟派ってやつか。
香水の匂いがキツい女性だな。
『遠慮しておきます。失礼』
匂いを頼りにナミさんを探す。
……あ、いた。
『ナミさん、申し訳ないけどそろそろ出て…』
「何しやがんだテメェ!」
…店の外が騒がしいな。
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もんちゃん - ヤバイ!!めっちゃお話の内容好きぃぃぃ!! (2022年9月17日 14時) (レス) @page10 id: 5340c227df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゅがぁ | 作成日時:2022年9月14日 23時