14話 ページ17
結局、食料が底をつきそうとのことで明日別の島へ行くことになった。
本当に申し訳ない……
チョッパー「なぁなぁ!Aは海のこと何も知らないって言ってたよな!」
『うん。今日初めて波の音も潮の香りも知ったんだ。綺麗な音だね』
チョッパー「そうだよな〜!他にも知らないことあるのか?」
『そうだね。実際には分からないことがたくさんあるよ』
チョッパー「じゃあ、おれが教えてやるよ!花とか、動物とか、Aの知らないもの!」
無邪気にそう告げるチョッパーを微笑ましく思う一方で、その気遣いはいらないかなとも思ってしまう。
……なぜならば。
僕に全てを教えてくれるのは、君ではないから。
すごく冷たく聞こえるかもしれないけど、僕はあの人じゃないと嫌なんだ。
サンジ「悪いなチョッパー。お前には任せられねェ」
『!……ふふ。すぐ気づいてくれるね』
サンジ「これからはずっと傍にいられるからな。いつでも駆けつけますとも」
チョッパー「仲いいな〜2人とも!でも、分からないことあったらなんでも聞いてくれよ!」
『ありがとうチョッパー』
てててっ、と軽い足音を立ててチョッパーがいなくなる。
隣でサンジくんが細長く息を吐いた。
ため息でもない。そしてこの煙の匂いは…
『…サンジくんって葉巻とか吸ってる?』
サンジ「え?おれのは煙草だな……って、お前にとっちゃ不快だよな。悪ィ」
『どうして?別に不快じゃないよ。それに…僕もうサンジくんの匂い覚えちゃったから、変えないで。君が見つけられなくなる』
サンジ「…そのときはおれが必ずAを見つけ出す」
『頼もしいね』
暗闇の中から僕を救い出してくれるのは、いつでも君だ。
この永遠の暗闇からも、君がいれば抜け出せるはず。
『…約束、守れなくてごめんね』
サンジ「…まだ破られてもいねェさ」
『え…?』
サンジ「おれはまだオールブルーを見つけてないからな。お前とオールブルーを見る。まだ捨てるべき夢じゃねェ」
違うか?、と僕に優しく問いかける。
…酷いなぁ。そんな言い方されたら。
『…絶対、見つけてよ』
諦められなくなるじゃないか。
ルフィ「お〜いサンジ〜!!腹減ったぁ!!!」
サンジ「まったく…今作るから大人しくしてろ!!」
サンジくんの気配がなくなる。
瞼を閉じて、長年考えることのなかった欲望を小さく吐き出した。
『…皆の顔が見たい』
きっと輝いているんだろうな。
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もんちゃん - ヤバイ!!めっちゃお話の内容好きぃぃぃ!! (2022年9月17日 14時) (レス) @page10 id: 5340c227df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゅがぁ | 作成日時:2022年9月14日 23時