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あっという間に食べ終わってしまった俺とは対照的に、小さな口で上品にゆっくり味わって食べているAちゃん。その姿が愛おしくて見ているだけで、男としての何かがこみ上がって来てしまうからちょっと視線を逸らしておこう。

きっちり整頓された女の子らしい部屋だ。

落ち着いた白っぽい色に統一された部屋。ふわふわそうな抱き枕さえも白くまで徹底されてるし。その中で少し異色を放って目立っているのは壁にかけられ黒いストール...と、これはプラネタリウム。素人目で見ても多分いいやつだな。


「あんまりキョロキョロ見ないでよ」
「え?綺麗な部屋だからいいじゃん」
「恥ずかしいの!」
「あの黒いストールあんまりAちゃんのイメージじゃないね」
「だから見ないでって!」
「すっごい気になる」
「あれは借り物なの...借り物っていうか押し付けられたって感じ」
「へぇ。なんか迷惑そうなものなのにあんな大事そうに飾ってるんだ」
「他人のものだもん。大切にしないとね。すぐ返すよ」


男から借りたのかな、というモヤモヤは言葉にしないことにした。今そんなの必要ない。


「星好きなの?」
「もういいじゃん!部屋の話おしまいー!」


「ね?」と首を傾げるAちゃんに思わず見とれてしまう。これだけ透明感があって、ふわふわしてて、守ってあげたいと思う女の子が今までいただろうか。


「いないよなぁ...」
「ん?いない?」
「あ、ううん。いいよなぁって言ったの。爪」
「拳くんずっと褒めてくれてるよね」
「だって素敵だよ。女の子らしくて。こんなのも出来るんだね」


フォークを持っている柔らかい手をとる。白い肌に映えている上品なピンクのネイルをじーっと見つめてすべすべな手を数回撫でてみた。特に拒否はされない。
今日絶対いける。


「これって時間かかるんでしょ?」
「そうだねぇ」
「お金もかかるでしょ?」
「拳くんやけに積極的。こういうの興味あるの?」
「あるかないかって言われたらあるよね。こういうお洒落してる女の子に」


横目でAちゃんの顔を見るとちょっと照れてる。
追い打ちをかけるように「ま、興味があるのはAちゃんなんだけどね」なんて付け加えれば「拳くん上手だね」って褒められた。

最後の一口まで上品に口の中に入れご馳走様でしたとしっかり手を合わせる。可愛いのに育ちの良さまで滲み出てる。文句なしだ。


「俺もお土産持ってきたんだよ」


手元に置いていた紙袋から持ってきたものを取り出した。

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夢野(プロフ) - 楽しく読みました。ありがとうございました!ただただ短編集だと思って読み始めて、sgiさんのお話あたりで、あれ??ん??これは?ってなりました。そこからもうワクワクが止まらなくてニヤニヤしてしまいました。ごちそうさまでした! (2020年4月14日 1時) (レス) id: bce1609b2c (このIDを非表示/違反報告)
わらべ(プロフ) - 更新お疲れ様でした。企画力もさることながらこの人数での様々な伏線と、その伏線回収には感動さえ覚えました!裏の状況は読者には分かりませんが沢山の人が関わり沢山の時間が必要だったと思われます、お疲れ様でした!そしてありがとうございました! (2020年4月13日 21時) (レス) id: 9fc6a8ac01 (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - 皆様天才です、、読み進めるのが本当に楽しかったです、、! (2020年4月13日 21時) (レス) id: 390861d6bc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SM | 作成日時:2020年4月1日 23時

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