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予約席に通され、コース料理を堪能する。
付き合いたての頃「テーブルマナーなんて自信ない」と言ってこういった店を嫌がった彼女も、今ではすっかり淑女らしくテーブルマナーも板についている。
「Aはフォークが右、ナイフが左。あぁでも並び順は置いてあるまま、手にとってから入れ替えて……」そんなことから教えたのも今となっては懐かしいくらいだ。
「ラベルのデザインが可愛いんだよ、あのワイン漫画にも登場しててさ」
「へぇ……、飲んでみたいかも」
「まあ本格派だしAにはちょっと辛口かもしんねえけど」
デザートを待ちつつ談笑していると、ピコン、と彼女のバッグから音がした。
「どうぞ、緊急かもしれない」
彼女がそわそわと気にしているようだったので、あまりよろしくはないが小声でスマホを確認するように勧める。
やはりメッセージの着信音だったようで、彼女は申し訳なさそうにしながらも急いでバッグからスマホを取り出して画面を見た。瞬間、思わずこちらがどきっとさせられるほどその表情は華やかに綻んだ。
「仕事の連絡だった……。ちょっと、返信してきてもいい？」
すぐにはっと顔を引き締めた彼女は考えるように口元に手を当て、それから俺の目を見て焦った様子で、しかしやはりどことなく浮ついた風でそう言った。
「いいよ。行っといで」
笑いながらそう返せば、ありがとう、ごめんね、と断って彼女は席を立った。
あの嬉しそうな表情、大きな仕事でも決まったのだろうか。
仕事の話をするときの彼女はいつも楽しそうで、俺も出来る限りの応援をしたいと思っている。今よりもっと会社を大きくして、いつか彼女と一緒になれば……なんて、以前までの俺が聞いたら心底驚きそうなことも本気で考えているのだ。
彼女が知ったら、どんな顔をするだろう。
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夢野(プロフ) - 楽しく読みました。ありがとうございました！ただただ短編集だと思って読み始めて、sgiさんのお話あたりで、あれ？？ん？？これは？ってなりました。そこからもうワクワクが止まらなくてニヤニヤしてしまいました。ごちそうさまでした！ (2020年4月14日 1時) (
レス) id: bce1609b2c (このIDを非表示/違反報告)
わらべ(プロフ) - 更新お疲れ様でした。企画力もさることながらこの人数での様々な伏線と、その伏線回収には感動さえ覚えました！裏の状況は読者には分かりませんが沢山の人が関わり沢山の時間が必要だったと思われます、お疲れ様でした！そしてありがとうございました！ (2020年4月13日 21時) (レス) id: 9fc6a8ac01 (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - 皆様天才です、、読み進めるのが本当に楽しかったです、、！ (2020年4月13日 21時) (レス) id: 390861d6bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SM
| 作成日時：2020年4月1日 23時
