MONDAY ページ1
.
待ち遠しにしていたその音は何度も聞いているはずなのに聞いたこともないほど美しい音色に聞こえた
テーブルの周りをぐるぐると回っていた足のまま玄関に向かって鍵を開ける
「祥くん、ごめんねお昼すぎには来れると思ったんだけど遅くなっちゃった」
重たそうな荷物を両手で持ちながら謝るAちゃんはなんとも愛らしくてどうしようもなくて思わず自分の胸に閉じ込めるように抱きしめた
Aちゃんは驚いた様でビクッと肩が跳ねた
「…祥くん、一応外だよ」
「ん」
「祥くん見られたら恥ずかしい」
Aちゃんは服の背中を引っ張って僕の体を引っペがそうとする
もう少し感動の再会の時間を設けてくれてもいいと思うんだけどなあ…感動の再会って言っても1週間ぶりなんだけどね
「祥くん」
いよいよ怒られる、と思い名残惜しくもAちゃんから離れた
何とか片手で持っていた荷物を貰って目線を合わせる
「ごめん、つい」
「もう…」
そう言って頬を膨らませて怒る姿は自分が可愛いことをわかってやっているとしか考えられない
なんでこんなに可愛い子が自分の彼女なんだろうかと考える日だって少なくない
Aちゃんと初めて会ったのは2年前くらいのクイズ大会だった
共通の友人を通じて知り合ったけれどその時に何かあったとかそういうわけではない、そりゃ可愛い子だなとは思ったけれど自分からアプローチできるわけもなく連絡先は交換したけれど業務連絡程度で今後連絡を取ることもないだろうと思っていた
【突然すいません 友人のプレゼントを選ぼうと思ったんですけど何がいいか検討がつかなくて…山本さんなら仲良いので好みとかわかるかなと思って】
その数ヵ月後にAちゃんからそんな連絡が来た時は驚いたな
そしていざその日になって会ったらすぐに謝られたんだからそれにも驚いた
「ごめんなさい、実は友人にプレゼントあげる予定なんてなくて…こうやって会う理由つくらないと誘うことが出来なくて…」
「へ…」
「あの、っそういうことです…」
それがきっかけでよく会うようになってお付き合いすることになった、この時も告白されたようなものだけどAちゃんから改めて告白された時の光景は今でも鮮明に思い出すことができる
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 227人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夢野(プロフ) - 楽しく読みました。ありがとうございました！ただただ短編集だと思って読み始めて、sgiさんのお話あたりで、あれ？？ん？？これは？ってなりました。そこからもうワクワクが止まらなくてニヤニヤしてしまいました。ごちそうさまでした！ (2020年4月14日 1時) (
レス) id: bce1609b2c (このIDを非表示/違反報告)
わらべ(プロフ) - 更新お疲れ様でした。企画力もさることながらこの人数での様々な伏線と、その伏線回収には感動さえ覚えました！裏の状況は読者には分かりませんが沢山の人が関わり沢山の時間が必要だったと思われます、お疲れ様でした！そしてありがとうございました！ (2020年4月13日 21時) (レス) id: 9fc6a8ac01 (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - 皆様天才です、、読み進めるのが本当に楽しかったです、、！ (2020年4月13日 21時) (レス) id: 390861d6bc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：SM
| 作成日時：2020年4月1日 23時
