第３話 ページ5
《エースside》
ｻﾎﾞ「おい･･･コイツほんとに寝ちまったぞ？」
「あぁ･･･呑気な奴だな」
茂みで寝ている奴を見る
見た目は弱々しい女だ
コイツがついさっきまで熊と戦っていたなんて信じられねぇ
ｻﾎﾞ「･････やっぱり夢じゃないよな？」
「見ただろ？熊がこの女に切られて逃げてくのをよ」
ｻﾎﾞ「だけどさ･･･そんな事信じられるか？」
「俺だって信じたくねぇよ････」
不良から金を掻っ攫った後、修行の為にサボと移動していたら見知らぬ女が熊と遭遇しているのを偶然見かけた
あの熊は凶暴で気性が荒いから俺達でも倒すは無理だ
しかし、女は逃げる素振りを見せないどころか熊に対して挑発し始めた
何してんだアイツ･･･と最初は思った
だが俺は見た･･･アイツは短時間でダガーを使い熊の足首を傷付けたのを
ｻﾎﾞ「結局、コイツどうするんだ？」
「････そんなの俺が知るか」
ｻﾎﾞ「こんな所に置き去りにしたら危ないよな･･･」
そう呟くと女を背負ったサボ
･･･お人好しな奴だ
そんなの置いていけば良いものを
「置いてくぞ、サボ」
ｻﾎﾞ「待ってくれよ！！」
「･･･言っとくが、俺は手伝わねーからな」
ｻﾎﾞ「なんでだよ〜良いじゃねーか！」
そんな言い合いをしながら大木へと移動する
着くと起こさない様にそっと女を寄り掛かるサボ
俺は泣き虫や弱い奴は大嫌いだ
だから女の事も嫌っている
だがアイツは･･･その考えをぶち壊してきやがった
女の癖に熊を退けるだけの力がある･･･むかつく奴だ
ｻﾎﾞ「なぁ･･･コイツをお前の所で休ませてくれよ」
「････あぁ」
ｻﾎﾞ「そこをさ〜どうにか･････は？！」
サボは驚いた様に俺を見る
断られる前提で言いやがったのかよ
大木に寄り掛かった女を背負う
ｻﾎﾞ「お前が知らない奴を助けるなんて珍しいなぁ」
「････コイツに少し興味があるだけだ」
ｻﾎﾞ「さっきは手伝わないとか言ってたくせに」ﾎﾞｿｯ
「･･･別に俺はコイツをここに放置して帰っても良いんだぞ」
ｻﾎﾞ「じょ、冗談だって！！あはは〜･･･」
「･････ったく」
「頼んだぞ〜！」と叫ぶサボを後ろに俺は山道を降りていった
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