寒気の正体 ページ47
｢ふう……｣
しばらく色んなコーナーをうろちょろした後、数冊を手に取って会計を済ませた。マルコ兄さんの所へ戻ると、医学書を真剣な顔で読んで吟味していたので邪魔をしないように今、先に店の外へ出てきたところだ。
本屋の前でぼーっと待っていると、急に寒い風が吹いて背筋が跳ねた。この寒気を、私は知っている。
｢あらら、そんなに睨まんでもいいじゃないの。なァ、白ひげ海賊団、"鍵役"のA｣
｢…クザン……！！｣
背丈のやたらとでかい、寒気の正体の大男、クザンを見上げて睨む。首筋に垂れる冷や汗も、寒気のせいでどんどん冷たくなる。鎖鎌を取り出し、構えようとするとクザンは私に制止の声をかけた。
｢ちょいちょい、待ちなさいって。おれァ今日は任務帰りの観光だ、お前らを相手にする気はねェよ｣
｢……信用できるとでも思うのか、そんなに牽制して来ておいて｣
｢挨拶だよ挨拶。そもそもおれ一人で白ひげんとこの全員相手できるわけないでしょうよ。全面戦争でもするならともかく｣
クザンはそう言って眠そうにあくびをひとつ。完全に舐められてるな……
｢……クザンには、すごく、感謝してるんだ。貴方が居なければ私はきっともっと弱かった｣
｢あらら、嬉しいねェ。おれもAのことは気に入ってんのよこれでも。あの時おれと会ったのを利用してガープさん騙しにいくなんざァそうそう出来ねェしな〜。ガープさんもカンカンだぜ？｣
｢それは悪かったよ。あの時は手っ取り早く海を進む方法しか考えてなくてね。じいちゃんにも謝っておいてくれ｣
｢昔から妙に落ち着いてるとは思ってたが、まさか海軍大将と海軍の英雄を騙すようにまでなるとはなァ。どうする、今からでも乗り換えとくか？おれもガープさんも、お前がこっちに来るなら歓迎するぜ｣
飄々と笑いながら言うクザンに、私が言葉を返そうとした時。私とクザンの間に、キラキラと燃える蒼い炎が煌めいた。
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猫(プロフ) - 最高です！白ひげ海賊団がもっともっと好きになるような小説でした！更新、無理せずしてください、楽しみにしてます！！！！！ (2021年5月9日 10時) (
レス) id: fb41e475e1 (このIDを非表示/違反報告)
スノウ(プロフ) - 面白いです！更新楽しみにしてます！ (2021年2月2日 21時) (レス) id: 4bf735c37e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無し | 作成日時：2021年1月29日 22時
