父親 ページ41
｢エース！｣
廊下を1人で歩くエースに後ろから声をかける。やっぱり少し元気のなさそうに振り向くエースは、取り繕った笑みで返事をした。
｢ッおう、Aか！どうした？｣
｢エース、最近様子が変だぞ。何かあったのか｣
そういうと、エースは言葉を詰まらせた。やっぱりなにか悩んでる……私には言えないことなのか？
｢私には言えないなら、オヤジやマルコ兄さんなりサッチ兄さんなりに相談しなくちゃだろ。私から伝えようか？｣
｢ッちげェ！……その、Aに相談出来ねェんじゃねェんだ、むしろAにしか相談出来ねェ。……今夜、話すよ｣
あからさまに慌てた様子のエースは、それだけ言って歩いていってしまった。私にしか相談できない、だなんていったい何なのだろう。
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｢で、エース。悩みってなんだ？｣
その日の夜、相も変わらず私と相部屋なエースに問いかける。エースは気まずそうに目を逸らすけれど、そうは問屋が卸さない。
｢……私じゃ役に立てないのか？兄弟の間で隠し事はナシだって、エースが言ったんじゃないか｣
｢うっ…………いや、実はよ、おれまだ、オヤジたちにおれの生まれのこと、話してねェんだ｣
｢……！生まれって……父親の事か？｣
｢あァ。オヤジはあいつと敵同士だったみたいだからよォ……おれがあいつの息子だなんて知ったら、嫌になるんじゃねェかって……｣
そう言ってベッドに腰掛けて俯くエース。そんな彼に近づいていって両手で顔をつかみ、無理やり目を合わせた。
｢エース、お前ってやつは……オヤジがそんなことでお前を突き放すワケないだろ？｣
｢ッわかんねェだろ！あいつとオヤジはずっと因縁のライバルだったんだから｣
｢ばァか、それなら尚更喜ぶだろ。ライバルの息子が実の親父よりも自分に懐いてました、なんてさ｣
｢……………………でも……｣
なおグズグズと尻込みしているエース。はァ、とため息をついて、エースから手を離して彼の横に座った。
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猫(プロフ) - 最高です！白ひげ海賊団がもっともっと好きになるような小説でした！更新、無理せずしてください、楽しみにしてます！！！！！ (2021年5月9日 10時) (
レス) id: fb41e475e1 (このIDを非表示/違反報告)
スノウ(プロフ) - 面白いです！更新楽しみにしてます！ (2021年2月2日 21時) (レス) id: 4bf735c37e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無し | 作成日時：2021年1月29日 22時
