背中を押して ページ19
数日経って、エースは帰ってきた。相変わらずムスッとして笑うことは無いけど、何処かぼーっとしているような、または何かを考えているような、そんな顔をしている。
帰ってきてからも、今まで毎日毎日懲りずに狙っていたオヤジへの奇襲も随分と減ったような気もする。やっぱり迷ってるんだろうなァ。いつになったらエースにネタばらしできるんだ私は。
ドッボーーーーン！！！
｢おォい、またアイツが海に落ちたぞーーー！！引き上げてやれ！！！｣
｢これで何回目だァ、アイツ｣
｢100回行ったか？｣
｢行ったな、多分｣
今日もまた海に放り投げられたエース。能力者故に泳げないから、いつもウチのクルーに助けてもらっているのだ。相変わらずウチのクルーには無愛想なままだから、引き上げた後はみんなそそくさと立ち去って、あまり関わることはないみたいだけど。
｢あーあー、あんな隅っこで体育座りして。かァわいいなァエース｣
｢お前の可愛いの基準はどうなってんだよい、アホ｣
後ろからそう言われて振り向くと、そこにはスープを片手に持ったマルコ兄さん。聞かれてたのか……
｢だって可愛いものは可愛いんだから仕方ないよ。それより、そのスープはエースに？｣
｢あァ、アイツ昨日からろくに食ってねェからねい。サッチから、アイツに渡してくれって頼まれたんだよい｣
あのエースが食事しないだなんて、そこまで悩んでたのか……私が行ってやりたいけど…………
｢……マルコ兄さん、エースは今多分すごく悩んでるんだと思う。あんまり私から言うべきじゃないことだけど、エースは自分のことに関しては昔からぜんっぜんポンコツでさ……
大切な人のためならすぐに行動できるのに、自分のこととなると自分の気持ちすら分かんなくなるくらい。根が真っ直ぐなせいでいつまでも悩んじゃうんだよ。
……だからマルコ兄さん、背中押してきてやってくれよ。あなたの言葉なら、きっと｣
そう言うとマルコ兄さんは、優しく笑って私の頭を撫でた。突然のことに顔をあげると、マルコ兄さんは言う。
｢……お前は、おれを買い被りすぎだよい。それにお前も、どうやらアイツと同類らしい｣
カワイイ末っ子たちの為にも、できる限りはしてやるよいと言って、マルコ兄さんはエースにスープを届けに行った。
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猫(プロフ) - 最高です！白ひげ海賊団がもっともっと好きになるような小説でした！更新、無理せずしてください、楽しみにしてます！！！！！ (2021年5月9日 10時) (
レス) id: fb41e475e1 (このIDを非表示/違反報告)
スノウ(プロフ) - 面白いです！更新楽しみにしてます！ (2021年2月2日 21時) (レス) id: 4bf735c37e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無し | 作成日時：2021年1月29日 22時
