見守る ページ16
それからしばらくは、エースはオヤジを狙って昼夜問わずに襲いかかる。その度に軽くはたかれ、海に落ちてはウチのクルーに助けられる。そんな日々が続いていた。
サッチ兄さんが言うには、そんな中でも｢一宿一飯の恩｣は返さねェといけないと言って、船の雑用から軽い戦闘まで手伝ってはいるようだが……そこまで来たらあと一息な気もするけど、その一息が難しいのがエースだ。
船の噂ではどうやら、エースがオヤジに百回挑んで勝てなければ、オヤジを狙うのをやめてケジメをつけるのだそうだが……
｢ふふ、だいぶ馴染んでるなァ…エースのやつ｣
遠くからエースの様子を見るのはもはや私の日課だ。兄さんたちの手も借りて逃げ続けているおかげで、未だにエースには私の存在はバレたりはしていない。
｢今日も熱心だねい、A｣
｢マルコ兄さん。あの様子じゃあもうすぐエースも心開いてくれるよ。なんだか少しだけ、楽しそうだもの｣
ムスッとして眉間に皺を寄せていた時とは違い、近頃はあまり怒鳴り散らさなくなったし、昔マキノさんに習ったように、ご飯をもらったら挨拶もちゃんとする。可愛いヤツめまったく。
｢そういや近頃、アイツに一つデケェ任務を任せるそうだよい｣
｢え、そうなのか？誰かの討伐か？｣
｢まぁそうなるかもねい。小せェ島だが、海軍との闇取引の影があるグレーなやつがいるもんで｣
ということはエースは遠征するのか……しばらくまた会えないんだなァ。まぁバレる可能性は低くなるけど………
｢もうすぐこういう隠れんぼも終わりだな………アイツは仁義を大事にする素敵なバカだから、きっとこの船と相性がいい｣
｢聞けば聞くほど、オヤジが好きそうな男だねい、アイツは｣
マルコ兄さんが笑って言う。そうだな、と返して、私たちはエースを見守っていた。
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猫(プロフ) - 最高です！白ひげ海賊団がもっともっと好きになるような小説でした！更新、無理せずしてください、楽しみにしてます！！！！！ (2021年5月9日 10時) (
レス) id: fb41e475e1 (このIDを非表示/違反報告)
スノウ(プロフ) - 面白いです！更新楽しみにしてます！ (2021年2月2日 21時) (レス) id: 4bf735c37e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無し | 作成日時：2021年1月29日 22時
