▼自らのケツは自分で拭くのが獄卒です ページ6
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私がそう言ったタイミングで今度は白髪さんに電話がきた。なんつータイミングの良さなんだ。数十秒間の電話を終えた白髪さんは私に向き直る。
「君のその用事、僕達もついて行くよ。別にいいよね。」
「構いませんが…成程、貴方の方にも連絡がいったんですね。」
白髪さんは表情を崩さなかった。「さ、皆行こっか〜」と少年達を押し出す。
ビルを出て少し歩けば目的の中学校。休日ということもあり生徒はいないが、教師の人間はそれなりにいるようだ。………生者の避難なくても別にいいよね。
如何にも学校関係者ですよ、風の顔をして校門をくぐる。さて、お目当ての呪霊は何処にいるのやら。
「五条先生、此処呪霊いますよね。」
「そうみたいだね〜。でも今回祓うのは僕達の役目じゃなよ。」
そう言ってこちらを見つめる白髪さん。ニコリと微笑み返して、懐から金棒を取り出す。宿儺の器の少年が「え、とんでも質量じゃん…四次元ポケット…?」と呟いていたが無視。イリュージョンですよイリュージョン(?)
目の前には、人型の廃れた着物をきた呪霊が。辺りに冷気が漂いはじめ、肌にちくりと刺さる。
いつの間にか学校を夜が包み込み、一種の結界をはられたな、と理解する。
「本来は貴方方のお仕事ですが、横取りするような形で申し訳ございません。……しかし、この呪いは先程の崇徳さんから漏れた呪力を糧に特級になったようなので。地獄の不始末は地獄の鬼である私がしなければなりませんから。」
金棒を構えて、向こうからの攻撃に備える。呪霊の片手が僅かに動いた。その瞬間、パキパキ…、と音がなる。
私は金棒を殴り捨てて、呪霊の前まで走って近づき、腕を捻りあげた。そしてそのまま、呪霊の顔面をグーで殴る。
ぶべぇっ、と変な声をあげて呪霊が吹き飛んだ。壁に追突しかけているところギリギリで呪霊の着物を掴み、校舎を破壊しないようにした。
「えっ、金棒使わないの?!」
「それな?????」
器の少年と少女の会話。語彙力が下がっているように聞こえるが、まぁいいだろう、無視。
呪霊の顔面をグラウンドに叩きつけ、何度もそれをくりかえす。顔がベコベコに潰れて原型をとどめなくなったところで、金棒を拾い直し殴ろうとしたところで気づいた。
「そういえば、呪霊は呪力でしか死なないんでしたっけ……」
金棒は呪力ないから、この呪霊祓えないじゃないか!
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作者名:ななを | 作成日時:2022年8月8日 21時