▼ちゃんと敵ではないんです ページ4
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「な、にこれ。この呪力量多すぎでしょ！」
「アンタさっき“崇徳”って言ってたけどまさか…っ」
「日本三大怨霊の一人、崇徳天皇だね。…君、本当に何者なの？」
圧倒されそうな呪力量を放つ崇徳さん。白髪さん以外は崇徳さんの存在に怯えているようだけど、崇徳さんコレ面白がってやってるだろうなぁ。
ほんとにたまーにお話する機会があるから、彼の性格はなんとなく理解している。自分が日本三大怨霊として恐れられて祀られていることで自分の承認欲求を満たしているのだ。ほんと、地獄にくる有名人って変なところで性格がひん曲がっている。
「さ、そろそろお迎え課の方々きます。ちゃんと、大人しく帰ってくださいね？」
そう言ってむんずと腕を鷲掴みして引きずれば、宿儺の器の子と釘の少女がまったをかける。
「ちょ、ストップ！えっ！？それ呪霊だよね！？危ないから離れた方がいいよ！？」
「そ、そーよ！崇徳天皇ってめっちゃヤバイじゃないの！」
「いえ、これは私の仕事ですので。」
アセアセしながら叫ぶ彼ら。そっかそっか、崇徳さんはこっちだと呪霊認定されちゃうのか。地獄の鬼は亡者と呪霊の区別ができるが、呪術師はその違いが分からないんだな。成程。
「仕事って言うけど、君同業者じゃないでしょ？それに、気配も不思議だし。その“呪い”をどうするつもりなのかな。」
白髪さんがそう問いかける。地獄に連れてくんですよ〜って言っても絶対信じないから言う価値ないんですよ〜って言えたら楽なんだけどね。ハー、めんどくさ。
「どうするもこうするも、元居た場所に帰すんですよ。…そんなに敵意を剥きださないでくださいな。私の正体はちゃんと明かしますから、取り敢えず彼を渡さないと。」
少々睨み合っていれば、お迎え課の方がやってきた。そのまま崇徳さんを手渡し、彼等の方に向き直る。
「え、消えた…？」
「呪霊マジック…」
「手品？」
「さて、自己紹介といきましょうか。私はAと言います。現世の視察にやってきた地獄の鬼です。貴方方に視えないようなモノまでうじゃうじゃ視えてしまいます。これから関わる機会があるでしょうから、よろしくお願いしますね。」
そう言って微笑めば、宿儺の器の彼の頬からぐにゃりと、目と口が出てきた。
「うおっ？！え、なんでお前「久しいな、鬼よ。」…えっ知り合い？」
「クソ爺なんかさっさと死にくたばればいいのに…」
「え、お姉さん口悪っ」
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作者名：ななを | 作成日時：2022年8月8日 21時
