▼鬼って結構年寄りなんだよね ページ3
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男子二人に、女子一人。見るからに強そうな呪霊。成程、これは苦戦しそうな相手だな、とぽつり呟いた。
彼等は私の登場により焦っているようで、一人の少年が慌てて駆け寄ってくる。
「すんません！此処は結構危ないので、早くここから出てください！」
切羽詰まったような表情をされるから、少し彼に協力したくなった。しかし、私の目的である崇徳さんは確かに此処に居る。気配がもうビンビンに感じるのだ。間違いじゃない。多分、上の階にいるんだろうけど…、と思った瞬間、呪霊の攻撃がこちらに飛んできた。
間一髪で避ける私と、それを庇うようにして背中をこちらに向ける少年。少年の背中をじっと見つめていると、両面宿儺の気配を感じた。あれ、もしかしてこの子が両面宿儺の器？！
両面宿儺の受肉により呪霊の動きが活発になっていることは知っていた。しかし、肝心の受肉体である器の詳細は調べてこなかった〜。マジか、こんな若い子が宿儺の器とか。確かに見た目はがっしりしてるし、器にもってこい！って感じだけど。
「君の所為で仕事増えてるんだよなぁ…」
ぼそっと言った言葉は戦闘音でかき消された。
彼等の目的の呪霊が祓われる。少女が釘を打ち込んだことで呪霊がボロボロに崩れていったがあれが“術式”なんだろうか。気の強そうな少女だな、と見つめていれば声をかけられた。
「アンタ、どうやってこの中に入ってきたの？」
「ちょ、釘崎。一般人なんだからもうちょい優しく、」
「どうやってもなにも、普通に入ってきましたよ。」
“結界が張られてあったのは知ってましたけど”
ニコリと微笑めば怪訝な顔をされる。もう一人の黒髪の少年が口を開いた瞬間、
「お疲れサマンサ！いやー、皆ちゃんと呪霊を祓えて偉いね！」
背後から白髪目隠しの男がやってきた。
「で、早速だけど君が何者で、此処に何をしに来たのか教えてほしいな。」
私の前までやってくると僅かな殺気を出しながら言う。生者なら怯えてものを話すんでしょうけど、生憎私は地獄の鬼。そんなものに怯えていたら地獄の鬼なんぞ務まらない。
「教えたいのは山々なんですが、それより先に回収したいモノがありまして。」
私の言葉と共に禍々しい気配がビル内を取り包む。おぉ、ナイスタイミング崇徳さん。
「崇徳さん、やっとお出ましですか。」
「A殿が此処にいるってことは、もう逃げられないと思ってな。」
「あは、私から逃げられても他にも有能な獄卒は沢山いますよ」
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作者名：ななを | 作成日時：2022年8月8日 21時
