One More Kiss【神谷健太】

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健太 side








Aを忘れたい

わけではない



そりゃ妹なんだし忘れるわけないけど
一瞬だけでも頭の中から消したい





スリボのOne More Kiss聞いたら、すごく心が寂しくて

あー、あのキスもう1回味わいたいなー
あー、誰かと一緒にいたいなー

って、とにかく誰でもいいからそばにいてほしいっていうか

人肌恋しくなるって言うんだっけ？そんな感じ





健太「誰かいないかなー」




ずっと､家に帰ってからも寂しくて寂しくてたまらない
気晴らしに散歩しようと思って、コンビニでアイスを買った




*「神谷くん？久しぶり！」


健太「えっ、とー…うん、久しぶり！」


*「ふふっ、私のこと覚えてないでしょ？笑」





確かに覚えてない

この上品な笑い方をする女の子は…
うん、やっぱり覚えてない





*「まあ､5日間だけだったもんな〜」


健太「5日間…？…あっ、」


*「思い出した？一応元カノだよ、私も」





思い出した

高校の時､5日間だけ付き合った彼女


告白されてOKしたんだけど
結局やっぱ俺はAがいい！
ってことで別れた彼女





健太「え、なにしてんの？」


*「散歩かな？彼氏に振られたばっかでさ、寂しくて笑」


健太「俺も、そんな感じ」


「「……」」





沈黙って、気まずいよね

なんか話さなきゃって思うんだけど
うまく話せなくて





健太「えっと…家、くる？」


*「えっ？」






つい、こんなこと言っちゃった




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