One More Kiss【神谷健太】

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健太 side









健太「なんでいんの…」


樹「なんでって言われても…」



Aといる時間をなるべく増やしたいから
いつもより早く起きたっていうのに

なんか樹がいるもんだから

朝からちょっと嫌な気分



『あ、お兄ちゃんおはよ！樹くんも今日はお休みって言うから呼んだの』


健太「別に呼ばなくてもよかったのに」


『そんな拗ねた顔しないでよ笑 樹くん、車出してもらうためにマネージャーさんも呼んでくれたんだから！」


健太「...余計なことすんなよ」


『ちょっとお兄ちゃんっ！』




樹に少し睨みをきかせながらそう言えば
Aが割って入る

てかさ、昨日のテンションとの差よ

全然違うじゃん
そんな樹がいてうれしいかよ



樹「Aちゃん、荷物車に積もっか」


『そうだね！お兄ちゃん、行こ！』


健太「え、うん』




早くね？まだ7時半すぎたとこだよ？

もう行っちゃうわけ？



健太「ちょっ、待って！」


『っ！…なに、？』


健太「あ、いや、もう行くのかなって」




いきなりAの腕を引っ張るから

Aは驚いて手を引っ込めようとした



…地味に傷つくんだけど

ううん、大分傷つく




『う、うん。行こうかな』


健太「そっか」




これ以上話してたら
本当に縛っちゃいたくなる

だから掴んでた手の力を抜いたら

するっ、てAの腕が離れていった




それが、なんだか寂しくて､悲しくて

あぁ、Aはもう俺のモノじゃないんだなって

いつかは離れるときがくるんだなって


目の前の樹と楽しそうに話すAと
さっきAを掴んでた手のひらを見ながら思った






健太「…キス、もうできないね」



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