One More Kiss【神谷健太】

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健太 side







『お兄ちゃん本当は大丈夫じゃないんでしょ？』


健太「だぁいじょうぶだって､！」


『でも、』


健太「あ、なんか眠くなってきた。ちょっと寝てくるね〜」



無理に笑顔作ったり、
いつも通りのトーンで言ったけど
泣いたのはバレバレだろうなぁ


やだな、俺
嫌なお兄ちゃんだよ、まったく

とことんめんどくさいんだから



健太「もーやだー...」



ベッドに顔を埋めてシーツに向かって喋る

樹がAのこと好きになっちゃうし
樹にAの唇奪われるし
Aのこと怖がらせちゃうし
Aこと困らせちゃうし
Aの前で泣いちゃうし
自分のことはコントロールできなくなるし
自分が自分じゃなくなるときあるし


本当に､もう嫌になる




Aに触れたい
Aにもっと近づきたい

兄妹としての距離はもう近すぎるくらい近いのに
男と女としての距離は全然縮まらない
そりゃ当たり前だけど

もっと近くで､Aを感じたい





...って､だめだ

蓋したのにまた好きが溢れちゃう



健太「男子高生かよ、俺」


こんなにもやもやしたのはいつぶり？ってぐらい久しぶりで
なんならAのことばっか見すぎて恋なんてしてなくて
こんな感情今までなかったっていうか､初めて恋した男子高生みたいだわ



健太「もー疲れたー...」


このまま寝て､
起きたらAと兄妹じゃなくて
恋人同士になってたりしないかな

兄妹のままだとしても
Aが俺を好きになってるとか

Aが樹とは出会わなかったことになってるとか




...そんなこと、あるわけないか

そんな魔法みたいなこと絶対あり得ないけど
あればいいなぁって、みんな思うでしょ？

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