貭 ページ9
『蜘蛛の、妖怪』
土「ほぅ、妖怪の存在を知っているのか。」
Aは目を見開き、驚いた顔で自分の何倍もある蜘蛛を見上げた。
『……えぇ、貴方方のような存在がいることは、存じています。』
Aは冷静に振る舞おうと、その場に正座で座り直した。
『今宵は、貴方の生贄になるべくここへ参りました。』
土「吾輩の姿を見て、逃げないのは武士の男以外でお主が初めてだな…。」
肝の座った女だ、とおかしそうに、蜘蛛は笑う。
だが、その目は少しも笑わない。
冷たい視線をAに浴びせる。
(……怖い、だけど何かしら、この感じ……。)
Aは、怖いと思っても絶対に蜘蛛から目を逸らさない。
それは、その蜘蛛の目に自分と同じ何かしらを見たからだ。
土「……娘。吾輩を見て…何を思っている。」
それは、蜘蛛からの問いかけだった。
Aは、覚えがあった。
その無機質な目の奥にある強い感情に___
『貴方は、…………何に “怯えている” の?』
そのAの言葉を聞いた蜘蛛は一瞬、動揺したのか瞳が大きく揺れた。
そして、
ガンッッッ!!!!
Aの座っていた祭壇に蜘蛛の巨大な爪が突き刺さった。
『!?』
土「…………………吾輩が、、怯えているだと?」
蜘蛛は、地を這うような声で話し初めた。
土「……娘よ。お主は何故、そう思った………。」
『それは、…………………
………………貴方が、私と同じ瞳をしていたから。』
Aは静かに、告げる。
『………私も、一人だった。』
土「……。」
蜘蛛は、感情の読めない目をした。
そして、
ゆっくりと、祭壇に刺した爪を引き抜きAに背を向けた。
そして、洞窟の奥に向けて歩き始めた。
と、思えば立ち止まりAに向けて
土「……ついてこい、」
と、静かに一言告げた。
Aは、黙って蜘蛛の後ろに続いた。
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白虎P(プロフ) - misaki66666さん» 細かい説明ありがとうございました!しっかり確認しながら上げようと思います!本当にありがとうございました! (2018年3月29日 14時) (レス) id: 4bf5d79354 (このIDを非表示/違反報告)
misaki66666(プロフ) - 又、お話に画像を入れるのなら、お話の(編集途中)上にあるマークがあると思います。そこで画像(分かりにくいかもしれませんが、他のは分かりやすいので分かると思います。)を押すと、画像をアップロード出来るはずです。(ただし軽い?編集モードにしていると使えません) (2018年3月29日 11時) (レス) id: c4f0e9bc83 (このIDを非表示/違反報告)
misaki66666(プロフ) - 注意です。直リンクと言い、そのさっき説明した画像リンクを直接入力するのがダメな所もあります。搭載期限?等もあるようです。しっかり見て決めて下さいね。 (2018年3月29日 11時) (レス) id: c4f0e9bc83 (このIDを非表示/違反報告)
misaki66666(プロフ) - それをトップの画像が〜、と書いてある所に入力してください。多分コピペが出来ると便利だと思います。 (2018年3月29日 11時) (レス) id: c4f0e9bc83 (このIDを非表示/違反報告)
misaki66666(プロフ) - 白虎Pさん» それで、上の方に(こうとも限りませんが)http://、又はhttps://等が書いてある場所があると思います。それがリンクです。 (2018年3月29日 11時) (レス) id: c4f0e9bc83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白虎P | 作成日時:2017年8月31日 22時