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海を渡る人狼 52 ページ11

考えて考え抜いた結果…

バグス「セピア国と同盟を結ぼうと思う」

なんとバグスは彼等との同盟を申し出た。
しかし、そうするにはセピア国のヘルクトスの返事を貰わなければならない。

だが少し厄介な事がある。

ハイネス「王!!ソレは駄目です!今の彼等を知らない訳じゃナイでしょう!?

ヘルクトスは天竜人の言いなりになってルと聞きマス。無闇に行かれるノハ彼等にとっても私達にとっても危険デス!」

そう、ヘルクトスは確かにセピア国を代表する国の王だ。しかし、今のセピア国の状況を説明するならば「王のヘルクトスは天竜人の下僕であり、更に下の国民は奴 隷である」。
つまり、彼等は常に天竜人の監視下にあるということだ。

バグス「嗚呼、確かに危険だ。でも、そうしないと駄目なんだ」

バグスは顔をしかめながら、

バグス「これは、彼……いや、ヘルクトスとの約束の内の1つだからね」

ハイネス「約束……とは?」

バグス「彼は私の昔からの幼馴染なんだ。昔の事だけど良く覚えてる。……そう、

『自分達が王になった時、もしどちらかの国が危険にさらされたのなら何としてでも守る』」

ハイネス「……大切ナンですネ」

バグス「嗚呼。だからね……私の御願いを頼まれてくれるかい?」

ハイネス「御意」

このあと、ハイネスはセピア国に同盟の申し出を出すため、使者として行く事になった。

約束。
彼等が交わした約束は確かに今、果たされようとしている。
だが、彼等は知るよしもなかった。

この決断が間違っていたことを。



セピア国に使者として来たハイネスはヘルクトスと対面した。

ヘルクトス「本当なんだな?」

ハイネス「本当デス。王は言いマシタ。

『自分達が王になった時、もしどちらかの国が危険にさらされたのなら何としてでも守る』と」

ヘルクトス「彼奴、覚えてたのか。懐かしい……。

だが、それは簡単に出来る事では無いな」

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作者名:樂士 辿 | 作成日時:2016年3月30日 17時

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