海を航る人狼 43 ページ2
『あの時は居たのにな』
シグ達を迎えた時、確かにガジは居た。
聞けば、ガジは良く寝ている事が多いのだそうだ。
セラ「ガジは千里眼を良く使いますからね。その疲れが出るんでしょう。まぁ、後1時間もすれば起きて来るので心配はいらないですよ」
ウラノス「…………」
ハイマ「何でウラノスは黙ってんの?」
そうハイマが聞けば、
ウラノス「五月蝿い。集中して周りの音が聴けないだろうが!」
ウラノスは苛々していた。
周りの音を聴くのが彼の趣味といって良いほど、彼は耳を研ぎ澄ませていた。
聴力を鍛える為にしているのだろうが、ハイマ達は何度もウラノスに「するなら甲板の方でやってくれ」と言っている。
だが、ウラノスは一行にそうしてくれる素振りすらないらしい。
しかしハイマはそう思う事もなく、
ハイマ「…御免」
フゼル「チョット良いですカ?」
トゥフェキ「何だ?フゼル」
フゼル「この船に情報を集める人って居ないデスよネ?」
この船には優れている者ばかり居るが、あまりそういう係的な事は特に決めて居らず、最低でも船長と副船長、航海士、コックが居れば十分だと彼等は考えていた。
プロクス「確かに居ないが…それがどうしたんだ?まさか、フゼルがその任を担うとか?」
フゼル「確かに俺ガ適任かもしれマセン。一番適しているのはプロクス…貴方……ト言いたい処ですガ、既に副船長についている貴方にソレは出来マセン。
つまり、この場デ適しているのはウラノス…貴方デス」
いきなり指名されるウラノス。
ウラノス「俺!?」
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作者名:樂士 辿 | 作成日時:2016年3月30日 17時