聞こえますか ページ6
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おはようございます、聞こえますか。
貴方と知り合ったのは貴方の馬がきっかけでしたね。
する事がなかった私は城の外をさ迷っていたのですが、沢山の動物がいる所を発見したんです。
兎、馬、狼、それから…数え切れません。
沢山いるのに、全員が綺麗に手入れされています。
一体誰がやっているのでしょう、と疑問になった時、貴方の馬が私に擦り寄ってきたんです。
可愛くて、頭を撫でてあげてたら貴方がやって来て。
｢…例の暗殺者さんか…って外道丸？｣
私に擦り寄ってる馬を見ては驚いたように目を見開いて、私を凝視しました。
外道丸、ってあんまり人に懐きにくいんですよね。
貴方が大切そうに外道丸を見ていて話していたのでとても頭に残っています。
貴方が覚えてるか分からないですけど、
今度外道丸に乗せてくれるって、約束したんですよ。
こんにちは、聞こえますか。
ある日、お城に侵入者が入ってきて。
私が切りつけられてしまったの、覚えてますか？
あの後、彼等に聞いたんですよ。
貴方が物凄く怒りながら侵入者を殺した、って。
きっと、私が切られたことに対して怒ってくれてたんですよね。
本当に、貴方は優しい人です。
そうやって、仲間が傷付けられたら誰よりも悲しんで、誰よりも相手を憎むんです。
嬉しくて、少しだけ涙が零れました。
彼等に言ったら笑われるので、内緒にして下さいね。
こんばんは、聞こえますか。
私が彼等と同じじゃなくなった日。
貴方は私に動物に触れさせてくれませんでした。
少しだけ、外道丸の事が気になって行ってみたら貴方が私を睨んで言うから。
｢…触らないで｣
そう言って、私の前に立つから。
そうでした、まだ外道丸に乗せてもらってません。
けど、もうそれは叶わないんですかね。
それでも、辛くないですよ。
もう彼等と同じじゃなくなったのが悪いんですから。
貴方の愛馬に触らせて貰えないぐらいに弱くなってしまった私が悪いんです。
だから、自分がした事を悔やまないで下さい。
聞こえますか、外交官補佐様。
私の為に怒ってくれたのは私の自惚れでしたか？
いつか貴方の愛馬に乗せてくれますか？
聞こえているのなら、我儘言っていいですか。
私は、また誰よりも仲間思いの貴方と可愛らしい動物達を可愛がりたいです。
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