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癒しには毎日会いたい ページ9

芥川君の件についての報告書は提出した。
その為に兄に顔合わせしないといけないのはとっっっても厭だか。
キャラとしての太宰さんは好きだけど、兄として、上司としての太宰治については云うまでもない。
せめて芥川君を医務室迄誰かに連れて行かせる位はしてくれてもいいと思うんだけど。アフターケアちゃんとやれ。
中也さんはしてくれたのに。
私が体術訓練で血を吐いた時なんかは、
「悪ィ、やりすぎた！ 今医務室に連れてってやるからな」
って医務室に連れていくだけでなく看病までしてくれたんだからな。
中也さん、基本的に部下思いの上司だから。
私も訓練で怪我した部下は医務室に連れてって看病するようにしている。
面倒見のいい中也さんと姐さんの背中を見て育ってきたから。理想の上司です。

……気が滅入ってきた。
はあ、癒しに会いたい。
と云うか、会おう。
「『彼』の精神衛生上良く保つ為」
とでも云えば行けるし。



「――と云う訳で来ちゃった！」
「Aちゃん凄いね、そんな単純明快かつ簡潔な理由でぼくに普通に会いに来れるなんて……」
そう、皆ももう分かるでしょう。
相手はＱちゃんこと、夢野久作君です！

「Ｑちゃん、元気だった？」
「うん。風邪はひいてないよ！ でも最近ちょっと退屈だったから、Aちゃんに会えて嬉しい！」
「私も嬉しいよ！ ところでＱちゃん、難しい言葉結構覚えたの？」
原作よりも大人っぽいんだよね、このＱちゃん。
「うん！ Aちゃんが持ってきてくれた小説と漫画と辞書で頑張って覚えたんだー。凄い？」
そうだった。
Ｑちゃんが退屈しすぎないで居られるようにあげたんだったね。
「凄い事だよ！ 勉強熱心なんだね！」
「将来、Aちゃんが幹部になった時、Aちゃんの右腕として働きたいからね！」
えっへん、とでも聞こえてきそうな調子でＱちゃんが胸を張った。
「Aちゃんはぼくが退屈しすぎないように色々手を尽くしてくれるし……何より、ぼくの事を気味悪がらないで友達みたいに接してくれるんだもの。Aちゃんの部下になれたらそれだけでかなり幸せだと思うんだ！ Aちゃんの部下になれたら、いーっぱい働くよ！」

やだ、Ｑちゃんがいい子すぎて辛い、可愛い、尊い、しんどい、しゅき……。
まもりたい、この笑顔。
私が育てました。


この後私が軽くスキップしていた事を姐さんに告げられ、質問攻めにあったのはまた別の話。

休みだ！休みが来たぞおおお！→←立場が上だからだと云えど、年上に敬語で話されると何か申し訳ない気分になる

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