スイッチの切り替え ページ19
私は目の前で倒れている青年を蹴飛ばし壁にぶつけた挙句、髪をひっ掴んで顔を無理矢理上げさせた。
「カハッ……」
「此の組織は無能を育てる施設ではない。立たぬ無能ならば去れ」
そう云うと、彼は憎悪と恐怖の入り交じった瞳を私に向け、よろよろと立った。
他の皆も体制を整えた。
そこで私はまた一人一人薙ぎ倒していった。
「これ位でへばる程度なら、マフィアでは生き残れないぞ。明日の訓練迄に自分には何が足りないか考えておけ」
私はそう吐き捨てて部屋を出た。
時刻はもう午後八時。
空はもう群青色に染まっていた。
そして、荷物を持って訓練場に戻った。
皆はまだ残って組手等をしていた。
**
私はしがない新入生の内の一人だ。
私は臓器売買の為にある組織に捕えられていた。しかし、マフィアの襲撃により組織が潰れ解放された。だからマフィアへの恩返しと生活費を稼ぐ為にマフィアに入った。
それなりに強い意志を持って入った筈だが、意志の強さと技術は比例せず、最下位。
そんなメンバーが集まるチームは太宰A準幹部が担当された。
訓練は一日目から苛烈を極めた。
私は走っては彼女に薙ぎ倒され蹴られを繰り返し転がり回ってただけだった。
無能だと思い知り、落ち込んでいたところに、
「ありゃ、皆まだ残ってたの?」
と彼女がやって来た。
手にビニール袋を持って。
「差し入れなんだけどー、ポ〇リと綾〇と……まあ、色々あるけど、どれにする?」
「そんな……頂いてもいいのですか?」
私は勇気をだして問うた。
「いいよー。皆、最初からハードな訓練してるんだし、これでも差し入れとしてはかなり少ないんだから。遠慮しないで」
彼女は笑顔だった。
「で、ではお言葉に甘えて……」
と私が〇鷹を頂くと他の皆も差し入れを頂く為集まってきた。
「仕事とプライベートは別だし、訓練後は確り疲れを癒して次の日に備えて欲しいし。何も別に君らを嫌ってる訳じゃないから」
彼女はふと、そう呟いた。
「あ、怪我してる人は備え付けのシャワー浴びて来てね。手当したげる」
彼女は嘘偽りのない笑顔を見せた。
それからは訓練の時が幻であったかのように打ち解けていった。
厳しくも責任をもって私達落ちこぼれを育てて下さる太宰準幹部。
今では同期のグループの中では一番好成績を挙げている。戦闘、情報、作戦立案。全ての分野をこなし、マフィアに貢献出来ている。
そんなグループに僅か数ヶ月で育て上げた彼女を、私達は心から尊敬している。
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サングリア - いえのきあさん» 判りました!定期考査頑張って下さい。私も今日から考査です…(´-ω-`) (2018年11月27日 7時) (携帯から) (レス) id: 5b0fbd2365 (このIDを非表示/違反報告)
いえのきあ(プロフ) - サングリアさん» ありがとうございます!今はテストや課題があってなかなか更新できませんが頑張ります!終わりのセラフもテスト終わったらぼちぼち買うので、お待ちくださいませ! (2018年11月26日 22時) (レス) id: 75f23159f6 (このIDを非表示/違反報告)
サングリア - 黒の時代…更新頑張って下さい! (2018年11月26日 16時) (携帯から) (レス) id: 5b0fbd2365 (このIDを非表示/違反報告)
サングリア - 長くてすみません…(´-ω-`)出来たら2つ宜しくお願いします!更新頑張って下さい (2018年11月24日 7時) (携帯から) (レス) id: 5b0fbd2365 (このIDを非表示/違反報告)
サングリア - クルル、クローリーなどの上位吸血鬼に気に入られて心配される。吸血鬼にしようとしている。渚は四鎌童子、アシェラに出会い、話をしたことがある。四鎌童子と一緒に3年間行動した。渚はその事を覚えていない。かなり謎に包まれた渚の過去 (2018年11月24日 7時) (携帯から) (レス) id: 5b0fbd2365 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夢秋 | 作成日時:2018年2月10日 2時