その必要はない ページ18
醜い争い、それは訓練未修の新入生の押し付け合い、其れとその中でも成績の悪いグループの押し付け合いだ。
皆が成果を優先するあまり、まだ任務に使えそうな訓練生を奪おうとし、足手まといになりそうな新入生を押し付けようとする。
嗚呼、なんて醜い! 大人は腐っている。
己が評価を高くするためなら手段は選ばず、他人を傷付け貶め、他人に向けられるはずの評価を自分のモノに使用する大人しかいないのか、此処の準幹部は。虫唾が走る。
結局私には新入生で一番成績の悪いグループが与えられた。
姐さんは励ましてくれたが、大人の汚さには吐き気が中々止まらなかった。
――思い出したくないものを思い出してしまった。
それはそれ、これはこれ。
私は確りと新入生を育てなくてはならない。
「絶対に、見返す」
誰を見返すかは分からないが、その一言を呟いてみた。
*
「――という訳で本日から貴君等の担当をする事となった、太宰A準幹部である。
恐らくは過酷な訓練を課す。が、乗り越えられなければ此の裏社会では死ぬものと思え。其れ程までに裏社会は、厳しい」
とうとう対面の日。
私はこの場の中では誰よりも幼いが、少しぐらい威張らないと舐められてしまう可能性があるため、キャラではないが威張ってみせた。
新入生のみんな、ごめんよ。
許してくれ。
「貴君等がマフィアきっての部隊となれば、貴君等を見る目も大きく変わる。だが、他者の評価が上がる程度で満足するような蛆虫であれば、私は組織を去ることをお勧めする。いいな?」
私の部隊は、明日から訓練が始まる。
他の部隊よりも早く此の部隊を仕上げ、此れからの事に備えるつもりだ。
どうか、彼等がこの訓練に耐え、龍頭抗争の時のように彼等が死ぬ事が無いように強く育ちますように。
「では、今日は解散とする!」
解散にし、廊下を歩いていると他の準幹部に声を掛けられた。
「苦労しているようですな、太宰準幹部。“お手伝い”でも必要ですかな?」
と、ニヤニヤと気持ちの悪い笑みを浮かべて。
何を見て苦労しているようだと思ったのか? 嗚呼、只の皮肉か。
そういえば此奴、訓練生かつ一番成績の良いグループを受け持っていたな。だから自分には余裕がある、と。
成程。死んどけ。
「手伝い? その必要は無い。手出しは無用だ。早く失せ給え」
私が睨みながら云うと彼は、これは怖いと云い、その気色悪い笑みを崩さずに去っていった。
此奴に死亡フラグが立ったな、なんて呑気に考えている自分がいた。
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サングリア - いえのきあさん» 判りました!定期考査頑張って下さい。私も今日から考査です…(´-ω-`) (2018年11月27日 7時) (携帯から) (レス) id: 5b0fbd2365 (このIDを非表示/違反報告)
いえのきあ(プロフ) - サングリアさん» ありがとうございます!今はテストや課題があってなかなか更新できませんが頑張ります!終わりのセラフもテスト終わったらぼちぼち買うので、お待ちくださいませ! (2018年11月26日 22時) (レス) id: 75f23159f6 (このIDを非表示/違反報告)
サングリア - 黒の時代…更新頑張って下さい! (2018年11月26日 16時) (携帯から) (レス) id: 5b0fbd2365 (このIDを非表示/違反報告)
サングリア - 長くてすみません…(´-ω-`)出来たら2つ宜しくお願いします!更新頑張って下さい (2018年11月24日 7時) (携帯から) (レス) id: 5b0fbd2365 (このIDを非表示/違反報告)
サングリア - クルル、クローリーなどの上位吸血鬼に気に入られて心配される。吸血鬼にしようとしている。渚は四鎌童子、アシェラに出会い、話をしたことがある。四鎌童子と一緒に3年間行動した。渚はその事を覚えていない。かなり謎に包まれた渚の過去 (2018年11月24日 7時) (携帯から) (レス) id: 5b0fbd2365 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夢秋 | 作成日時:2018年2月10日 2時