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スモーキーの部屋の前で声をかけると、すぐに返事が返ってきた。
ピーと二人部屋に入る。
そこはベッドとたくさんの本で埋められた部屋。
部屋にはスモーキーだけで、スモーキーはベッドに体を起こして座っていた。
うん、顔色が良い。
ピーと顔を見合せ笑う。
まだスモーキーを治せる先生は見つかっていない。
でも症状を抑える薬はあると言われ、スモーキーは今それを飲んでる。
その薬を飲むようになってから咳も血を吐く回数もグッと減った。
日向さんに、達磨の人達に感謝だ。
その薬がある病院を紹介してくれた。
突然、無名街に現れたかと思ったら、『お前には貸しがあるから顔貸せ』とか言って、スモーキーを病院に連れてってくれて……薬を貰えたのだ。
本当に日向さんには頭が上がらない。
また何かお礼……
「スモーキー。調子はどうだ??」
「ピー。今日はいつになく良いよ。街の様子はどうだ??」
「子供達が〜」
「A」
スモーキーに呼ばれた。
手招きされるから近付く。
「頼みがある」
「頼み??」
スモーキーがあたしに!?
「山王のコブラが倒れたらしい」
「ハッ!?」
「えっ!?」
コブラがっ!?
「どうして!?」
「何故かまではわからない。が、コブラにはこの前、お見舞いなるもの貰っている」
「ああ!!」
突然フラっと1人で現れたコブラは、大量のカップケーキをお見舞いだとくれたのだ。
美味しかった。
あっもちろんスモーキーも食べたよ。
スモーキーのためのカップケーキだからね。
あたしは1つ頂いたのだ。
でもあの時は元気だったのに……コブラに何が?
「だからA」
「ん?」
「俺の名代でコブラの様子を見てきてくれないか?」
「あたしでいいの?」
「お前は山王の奴らと仲が良いだろ?」
「ヤマトとは仲が良い!!」
「頼めるか?」
「うん!!」
スモーキーの頼みならば!
「じゃ、行くね」
善は急げ、だ。
「頼む」
「もうっ!?じゃあ俺もっ」
「ピー、あたし1人で大丈夫。ピーは無名街をお願い」
今は比較的平和だけど、何があるかわからないから。
ピーとタケシ、ユウは無名街守護において確実な戦力だ。
「A……」
「あたしは大丈夫、任せて!」
「気をつけてな」
「うん!いってきます!」
コブラッ、無事でいて!!
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作者名:めっこ | 作成日時:2019年9月1日 13時