第三章 ページ37
Aside
「ぬぐぅうぉおおおおおおおおおおっっ」
「うぉっ!?なんだよ、Aっ。急に呻くなっ。まだ具合が悪いのか!?」
熱を出して倒れてから2日。
元気になったあたしはベッドの上でイモ虫のように丸くなって呻いていた。
……所を、様子を見に来てくれたタケシに心配された。
天気予報通り、外は雨。
さっきまで激しく降ってた雨は、今は霧雨となり静かに静かに無名街を濡らしていく。
SWORDの皆がお見舞いに来てくれて、家を直して回ってくれた。
だから今回はどこの家も雨漏りなく、皆が快適に過ごしてるとのこと。
本当に本当にありがたい。
そんな中、熱でぶっ倒れたあたしは何もせず……挙げ句っっ日向さんの法被を着たまま寝ちゃうとかーーっっ。
わざわざ来てくれた皆にお礼さえ言えてないとかーーーっっ。
「う"う"う"う"っっ」
「だからどーした?」
「あたしは役立たずだな……って」
「ハァ!?」
タケシが何言ってんだって目で見てくる。
だって……
「一番やることが多い時に倒れて何も出来ず……迷惑かけて……」
おもわず、日向さんの法被を抱きしめる。
「いっぱい助けてもらったのに……お礼も言えず……」
「ブッッワーーーーーーーカッ!!」
「にょごし!?」
タケシからデコピンをくらうっ。
痛恨の一撃っっ。
「タケシさん……タケシさん……」
「何かね、Aさん」
「頭が真っ二つに割れてしまいそうですっ」
割れてしまいそうなほど痛いですっ、
「俺の力の全てを出し、なおかつSWORDの皆の分でもあるからな」
満面の笑みで言われる。
可愛い笑顔っっ。
「ぬっ!?SWORDの皆の分??」
「皆、お前の寝顔を見て、満足して帰ったけどな」
「ぬぅえっ!?」
寝顔!!??
寝顔だと!!??
こんな不細工の寝顔なんて見て何が楽し……
「ぬぐぅうぉおおおおおおおおおおっっ」
「だから呻くなって!!」
日向さんの法被を着て寝る姿を皆に見られたーーーーーーーーーーーーーーーっ!!
ダメだーっ!!
恥ずか死ねるっっ!!
191人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:めっこ | 作成日時:2019年9月1日 13時