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日向side


予想以上に無名街はボロかった。


屋台を組み立てたりするのに大工仕事もこなす達磨一家でさえ手を焼くほどに。


これをアレは直そうとしてたんだな。


見たが本当に指全部に湿布が貼られていた。



……。


コイツらが居なかったらまだ時間がかかってただろう。


アレのベッドを囲んでいる奴ら。


SWORDの頭がたった1人の女のために集まるとはなぁ。


未だに俺の法被を着て健やかに眠る、ルードの末っ子を見る。


手を貸してやりたくなる……か。



「寝顔も可愛い」


「さすが俺の娘」


「俺のだって言ってんだろーがっ」


「ふざけんなっ。Aは俺らの家族だっ」


「「そーだっ!そーだっ!」」


「顔色、大分良くなってきたな」


「そうですね。これなら明日にも熱は下がるでしょう」


「しっかしチューしたくなる寝顔だよね」


「雨宮兄っ!わっかるわぁ!よっしゃ、このダン様が眠り姫を起こ……」


「「「「「「「ふざけんなダン」」」」」」」


「チューくらい、えーやん……ぎゃああああっ」



バカばっかりがやかましい。


起きるぞ、いい加減。



「お?そーいやぁ日向、法被どーした?」



最後の仕上げをしていた右京と左京と鷲も戻ってくる。



「追い剥ぎにあった」


「は!?」


「ああ」


「嬢はお前の法被をよっぽど気に入ってんだな」


「日向」



どこからともなく現れたのは無名街の守護神。


コイツも大分顔色が良くなったもんだ。



「今日は本当に助かった。ありがとう」



……最近、礼を言われることが増えた。


アレと関わるようになってから特に……か。



『フン。これはこの間の礼だ、テメェに礼を言われることじゃねぇ』



これは缶ビールと駄菓子の礼だ。


達磨一家は礼儀を重んじる。



「そうか。だが助かったのにはかわりない。ありがとう」


「日向さん、あのごめんなさい。法被……」



……誰だ??



「俺の妹のララだ」


『へぇ』


「手を出すなよ……?」


「お兄ちゃんっ」


『興味ねぇな』


「「「達磨一家、年下は論外だ」」」


「ララが可愛くないだと?」


『面倒くせぇな』


「ごめんなさい、お兄ちゃんが」



視線を合わせた達磨一家とスモーキーの妹が同時に笑う。



「????」

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設定タグ:SWORD , 日向 , ハイロー   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:めっこ | 作成日時:2019年9月1日 13時

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