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広斗さんとROCKYさんとヤマトさんが我先にとこの部屋に入って来ようとする。
「どうした、A!?」
「何を泣いてる!?」
「ツラいんか!?」
我先にと入って来ようとするから誰も入って来れず……
Aは泣いていたことも忘れキョトンと3人を見てる。
「「「………………」」」
一端止まる3人、互いを睨みつけ……
「Aは俺の妹だっ!!」
これは広斗さん。
「俺はAのお父さん役だっ!!」
「それは俺だっ!!」
これはROCKYさんとヤマトさん。
広斗さんだけ微妙に違うのね。
一触即発、この部屋に入るための殴りあいが始……
『なぁーに持ち場離れてサボってやがる、クソ野郎ども……』
「「!!??」」
地獄の底から響いてくるような低い低い声が聞こえてきた。
「日向さんっ」
その声にAが反応する。
「「「どぁああああああっっ!!??」」」
突然、3人が重なるようにして吹っ飛んだ。
その後を跳び蹴り姿の日向さんが見え、四人はそのままフェードアウトしていった。
「「「日向、この野郎っっ!!」」」
『サボってんのが悪いんだろうが。殺んのか、ゴラ』
「広斗?」
「ゲッ雅貴」
「何をサボってんの……?」
「ROCKY」
「KOO」
「店を開ける時間が迫ってます。サボらないで下さい」
「ヤマトぉっ」
「ダンかよっ!!」
「なんやねんっ。俺じゃアカンのかっ!!」
何かと騒がしい無名街だけど、今日は一段と騒がしい。
でもそれはとても嬉しい騒がしさで。
大好きな人の声もある。
Aも同じ事を考えてたみたいで
「アハハハハハッ!!」
朗らかに笑う。
「Aー!!」
「Aが笑っ」
「Aっ」
『やかましい。さっさと持ち場に戻れ。終わらねぇだろうが』
ドカァッ!!
「「「いちいち蹴るなっっ」」」
「おい」
あっお兄ちゃん。
「「「……スモーキー」」」
「何もしないなら……狩るぞ??」
あっ本気だ。
って、手伝ってくれてる人達になんてことを……
「A?」
Aの笑い声が聞こえなくなったと思ったら、お粥を半分も食べない内にまた眠りについていた。
枕元に置かれたお粥をソッと取り上げる。
また後で温め直して食べさせなきゃ。
「おやすみ、A。いつもご苦労様」
赤い法被に包まれ、とても安心した寝顔のAの頭を撫で、あたしも手伝うために部屋を出た。
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作者名:めっこ | 作成日時:2019年9月1日 13時