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……急に意識が未だに握られてる手に。
おわわわわわわっ。
手汗っ手汗がっ。
熱があるせいか手汗をかいていて……。
日向さん気持ち悪くないかな!?
バチィッ!!
目が合う。
……ああ、綺麗だなぁ。
綺麗な澄んだ瞳に見つめられ、心臓がドキドキドキドキッと早く大きく鳴り出す。
なななななな何コレ!?
『?お……』
「A、お粥温めてき……」
「ひゃう!?」
「お邪魔だった……?」
『あ?』
「ララッ。なななっ」
「あんっっだよ、日向。まだいんのかよ」
『うるせぇな。コイツが離さねぇんだよ』
「ほぉぉぉぉぉっ!!」
そうだよ、もういい加減に離さないと……
離さないと……。
「…………」
『ククッ』
「!?」
突然ギュッと強く手を握られた。
忘れるな。というように。
おもわずあたしも握り返して……離す。
「ハイ、A」
ララからお粥が渡される。
美味しそう。
「ありがとう」
「行くぞ、日向」
『おう』
えっ!?
日向さんまで行ってしまうの!?
立ち上がった日向さんの法被の裾をとっさに握ってしまう。
「A?」
「お嬢?」
『…………』
「あっ、にょっ」
皆の視線があたしに。
あたしってば何をっっ。
『甘えん坊か』
「へ?……ブハッ!?」
またしても赤のレザー法被が顔に飛んできた。
そして
『帰ってくるまで持っとけ』
日向さんは口の端を少しだけ上げてそう言うと、右京さんと連れ立って部屋を出ていった。
ん?
ーーーーーー帰ってくる?
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作者名:めっこ | 作成日時:2019年9月1日 13時