[HiGH&LOW]SWORDの愛されし末っ子2 (ページ18)

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Aside

トントン、カンカン。

無名街にリズミカルで小気味良い音が響き渡る。

ただ今現在、ЯUDEBoySの皆で建物の修理中だ。

明日から大雨だと天気予報で言っていて。

雨漏りの心配な家が……これまた数が多くて。

見廻り以外の皆が今日はずっと屋根や隙間の修理にあたってる。

もちろんあたしも。

ふふ、もう何年もしてるからね、金槌を持つのもお手のもの……

「ほれ、A。湿布持ってきたぞ。さっきおもいっきり打ち付けた指に巻いとけ」

「ユウゥゥゥゥゥゥッ」

バラすなよーっ。

だがっ

「ありがとぅぅぅぅぅぅっ」

痛かったんだっ！

なんかもうプックリ腫れて痛かったんだよっ。

「ブハッ！！なんっつー顔してんだっ」

変な顔をしてたんだろう。

笑われる。

えっ……失礼じゃない？

女の子の顔見て笑うって失礼じゃない？

でも湿布も巻いてくれる。

「お前……」

あたしの手に巻かれまくった湿布を見て絶句。

「この仕事向いてねぇっ！見廻りのタケシと代われっ」

なんですと！？

「いやいやユウくんよ。あたしこれでも……」

「代わらねぇなら、スモーキーに"あの事"言うぞ」

！！？？

あの事！？

って、なんのこと！？

あああっ、ありすぎてわからないっ。

「いいのかぁ？」

「ぬぐぐぐっ。ユウのタンコブーッ！！」

「アホかっ！なんだタンコブって！」

なんとも情けない捨て台詞を吐いて、あたしはその場から逃走した。

「素直に心配だからって言えばいいのに」

「うっせぇ、ピー！！」

「"あの事"なんて本当はないんだろ？」

「ああ言わねぇとアイツやり続けるだろ。そしたら指なくなんぞ」

「「「「違いない」」」」

後ろから笑い声が聞こえてきた。

そんな会話がされてるとは知らず。

う"う"う"う"……。