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日向side
「うぉーい。日向ぁ」
「あ？」
「手紙がきてんぞーっ」
「おっ、もしや？」
「おっ、まさか？」
「その通りじゃーいっ」
スッと鷲が差し出してきたのは薄紅色に花弁が描かれた封筒。
そこには少し丸っこい字で"日向紀久様"と書かれてる。
アイツ……俺の名前知ってたのか。
「今回は封筒で、しかも郵送できたぞっ！」
「凄い進歩だな」
「頑張ったんだな」
ウンウンと双子と鷲がどこか嬉しげに頷いてる。
「ジジィか」
「お前にだけは言われたくねぇわっ」
「それな」
「いっつも寝てるお前にだけはな」
「あ"？」
なんだと、この野郎共……
「殺るか……」
「なんでそうなんだよっ！」
「それより早く手紙見せろや」
「何が書いてあるんだろうな」
ユラリと立ち上がった俺に視線が集まる。
「って、何処行くんだ日向！」
「お前、手紙独り占めにする気かぁー？」
「俺にきた手紙だろーが」
「返事、書いてやれよ」
ニヤっと笑って左京が言う。
「フン」
それに答えず、奥の部屋へと入り寝転んで封筒の封を切った。
"日向さん、達磨の皆さんへ"
手紙の始めはそう書かれ、最初の方はよくわからん詩みたいなのが書かれていた。
これは……どう考えても貧弱野郎が教えたな。
教えろとは言ったが、詩を教えろとは言ってねぇ。
無名街の様子、貧弱野郎の様子なども書かれ、多々ツッコミのある手紙を読んだーー。
「おい、左京」
「あー？」
左京が一人の時を狙って呼ぶ。
「無名街に頼むわ」
白い封筒を差し出せば、左京は何も言わずに受け取った。
こういう所が右京や鷲との違いだな。
アイツらなら……煩い。
「嬢にだな」
「他に誰がいる」
「ククッ。今日出掛ける用事があるから行ってくらぁ」
「おぅ」
「なんだよ、俺らには嬢の手紙見せてくれねぇのか？」
「今頃、鷲と右京が読んでるよ」
読ませろ読ませろと煩かったからな。
「じゃあ、後で読ませてもらうか」
どっこいせっと立ち上がる左京。
「ジジィだな」
「お前もよくやるぞ」
「やらねぇよ」
人をジジィ扱いしやがって。
俺は歩く左京の背に跳び蹴りをくらわせてやった。
「日向この野郎っ！！」
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作者名：めっこ | 作成日時：2019年9月1日 13時
