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図星らしい。


「気を付けてな」


「ああ」


「早く元気になってね、コブラ」


「おう。またな、A」


「うん!!」



笑って頷いたAと一緒に外へ出た。



「A」


「ん?」


「おんぶしてやろうか?」



それなら無名街まで寝れんだろ。

そんな遠くはないから少ししか寝れないかもだが。



「何故に!?いいよ!歩けるよっ」


「でもお前疲れてんだろ。少しでも……」


「ありがとう、ヤマト。じゃあっ」


「ん?」


「ん!」


右手をズイッと差し出してくるA。


怒ってんのか?


その表情は憮然としている。


いや、違うな。

この表情さっきも見た。



照れてんだな。


……が、どうすんだ?


握手か??


いや、今握手してどうするよ。



「んっ!!」


「んって……」


「手を繋いでほし……い」


「ああ!!」



なんだ、そんなことかっ。


俺はすぐAの手を取って握る。



「うぇへへーーっ」



喜んだAと手を繋いで歩く。



「小せぇな」


ちょっと力を入れるだけで、潰してしまいそうだ……。



「ヤマトの手が大きいんだよ!」


「そうかぁ?」


「うん!大きくて、あったかいっ!」



ブンブン手を振りながらそんな会話をする。



「手を繋ぐのそんなに嬉しいか?」



そう聞くと笑ってたAが下を向く。



「……うん。……あのっ、憧れてて……お父さんとおお母さんの手を繋ぐの……」


「A……」



そうだ、コイツは両親を知らないんだった……。


寂しそうに笑うA。


お前にそんな表情は似合わねぇ!



「お前が望むならいつでも手、繋いでやるよ」


「ヤマト……」


「お父さんとしてなっ」


「え?」


「これだけは譲れねぇ」



そう言うとAはいつもの笑顔に戻った。



「じゃあお母さんは?」


「この場合……コブラか?」


「えーっ。そこはナオミさんがいいなぁ」


「ハァ!?なんで急にあのブスの名前が出んだよっ」



急にナオミの名が出て焦る。



「ナオミさんはブスじゃないよっ」


「いてっ!いてっ!蹴んなっ!」



真夜中、真っ暗な道をギャンギャン騒ぎながら無名街へ。


無名街に入るまで、キツく繋がれた手が離れることはなかった。



「お前らうるせぇっ!何時だと思ってんだっ!」


「「すみません……」」



タケシに怒られた。

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設定タグ:SWORD , 日向 , ハイロー   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:めっこ | 作成日時:2019年9月1日 13時

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