(11) ページ15
ヤマトside
コブラが熱を出した。
忙しくて何も出来ずにいたが、この子が来てくれた。
「良かったな、コブラ」
「ああ。助かった」
俺の膝で眠るAの頭を起こさぬようにソッと撫でる。
こんな小さな体でЯUDEBoySで、あの無法地帯を守る一員。
「女なのにすげぇな」
よく見れば体には大小の傷がある。
たくさんの家族を守ってきた証。
「A……お前は……」
「ん……」
あっ、起こしちまったかっ。
「むぉっっ。あたし寝てた……??」
「まだ寝てて良いぞ」
「ううん……無名街に帰る……」
「今からかっ！？」
焦点が定まってない瞳。
大分疲れてるんじゃねぇのか、お前……。
「コブラ、もう大丈夫？」
Aは起き上がるとコブラの元へ。
「ああ、もう大丈夫だ。すっげぇ楽になった」
「良かった」
「「「ごぉおおおおおおっっ」」」
「お前ら、うるせぇっ！！」
重なりあうようにして眠るダン、テッツ、チハルに叫ぶ。
ここで寝ずに帰れよっ。
「ふふ、仲良しだよね。この3人」
Aはコブラの許可をもらって、押し入れから毛布を取り出すと3人にかける。
「じゃあ、あたし帰るね！」
「A」
「ん？」
コブラがAを呼ぶ。
「本当に今日はありがとな。この借りは……」
「コブラ」
「あ？」
「この前、コブラが無名街に来てくれてあたしは本当に嬉しかった。それにコブラが頑張ってくれて結んでくれたSWORD協定のお陰で今まで以上に自由に飛べる。だから今日はあたしがコブラの看病をしたいからしたのっ！それを借りとか言われたら……」
シュンと下を向くA
「コブラ、この野郎っ」
Aを泣かせるんじゃねぇよっ。
「……悪かった。でもこれだけは言わせてくれ、お前がピンチの時は必ず駆けつける。だから必要な時は俺を呼べ」
「コブラ」
「うんっ！ありがとうコブラ！」
Aが花のようにフンワリと可愛く笑う。
「じゃあ、コブラ。俺、Aを送ってくるわ」
「ああ、頼む」
「いやいや、いいよ！ヤマトも疲れてるんだから寝て。あたしはチャチャッと帰るから……」
「A」
「ん？」
「俺が送りてぇんだよ」
そう言えば
「……ありがとう」
小さく小さく呟かれた言葉。
強引過ぎたかとAの顔を覗き込めば、怒ったような表情で真っ赤になってた。
「もしかして照れてんのか？」
「〜〜っっ」
バシバシ背中を叩かれた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 191人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：めっこ | 作成日時：2019年9月1日 13時
